キャッチボールを終え、笑顔を見せるチェン=浜松球場で(谷沢昇司撮影)
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コイを好物とする3人衆で3つ星をいただく。1日からの広島3連戦、先発が予想されるのは第1戦から順にチェン・ウェイン投手(24)、川井雄太投手(29)、吉見一起投手(24)の3人。特に左腕のチェンと川井にとっては、今季最も相性のいい相手だ。
感触を確かめるため、実際に立ってみた。浜松のマウンド。「ここでは打たれてるイメージしかないです」。チェンの記憶がよみがえる。昨年7月28日、浜松での横浜戦。5イニング5失点で敗戦投手になった。
もっと前の05年。唯一の先発が浜松だった。8月4日のヤクルト戦、3イニング2/3で4失点。セ・リーグの防御率1位を走るチェンからは想像しにくいKOだ。「何で打たれてるのか、理由は自分でも分かりません」。原因不明。そんな過去の傷によく効きそうな薬がある。赤い軍団だ。
今季の広島戦は22イニング無失点を継続中。好相性などという生やさしいものではない。「今は真っすぐがいい感じで投げられている。調子が悪くてもゲームの中で修正して、悪くても7回を3失点以内に抑えたい。最少失点でチームが勝てるように」。調子もいい。浜松の苦い思い出も消えそうだ。
続く刺客は川井だ。広島戦は3試合で2勝1敗。対戦防御率は「1・17」はセ・リーグ相手ではベストの数字だ。
開幕11連勝のあと3連敗。苦戦の中でも「状態は良くなっている、という感じはあります」と、手応えがつかめてきた。練習に遠投をとり入れるなど、投球フォームにメスを入れてきた。「それもあると思います」。地道な積み重ねが手応えにつながってきた。
週前半の先発のイス。1つの意味がある。今月下旬に巨人との直接対決が6試合待つ。ミラクル逆転Vへの最後のヤマ場となる。さらにその先、クライマックスシリーズ(CS)の先発の座を得られるかの試金石にもなる。逆転Vのため、そして自分のため、眼前の敵に勝つ。 (生駒泰大)
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