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憲法25条守り 生存権裁判 勝利めざす 心ひとつにがんばる! 生活保護の母子加算を元にもどして 北海道

 生活保護の母子加算減額が05年度より段階的に行われ、09年度には全廃されます。北海道で生活保護を受けながら子どもを育てている9人の母親(現在8人)が、「子どもたちのために母子加算を元に戻して」という悲痛な願いから、札幌と釧路の地方裁判所に提訴(生存権裁判)して1年が経過。母子家庭の収入は一般家庭の収入の4割との統計(平成17年国民生活基礎調査)にもあるように、低収入で仕事のかけもちをし、体をこわす人もいます。新年を迎えての決意を、3人の原告に語っていただきました。

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「長男が高校に進学を決め受験勉強しているのがうれしい」と語る原告のひとり、小樽の佐賀光江さんと子どもたち(左から小学5年・中学1年・中学3年)
 生存権裁判をいち早く決意した小樽の佐賀光江さん(42)は、3人の子どものお母さんです。「中学を出たら働くと言っていた息子が、今、高校へ進学する受験勉強を頑張っています。とても安心しました。親の思いを、子どもなりに何か感じてくれたのかも」と、にこやかに話してくれました。
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札幌地裁前で第4回口頭弁論終了後、原告・弁護士と支援者(08年11月7日)

 この間、原告たちは多くのところで思いを語ってきました。医療機関の職員研修や友の会、働く女性の集会、憲法集会、母親大会、女性のつどいなどで、当初は、とつとつと文章を読んでいましたが、今では堂々と正面を向いて、「子どもにつらい思いをさせないために」「しっかりと教育を受けさせたい」など、裁判への決意と多くの人たちの支援を心から訴えています。

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障害者のグループホームで仕事をする菊地さん(右、札幌東区)
 現在、700の団体・個人が「生存権裁判を支援する北海道の会」の会員となって、文字どおり支援する会の支えとなっています。
 札幌東区の原告・菊地繭美(まゆみ)さん(45)は、「子どもが高校生になって一挙に母子加算がなくなり、修学旅行にやれないかと思っていましたが、みんなの励ましで、昨年秋に関西へ行かせることができました。親戚もなく、私は子どもと2人きりで生きていかなければと思っていましたが、会の援助もあり、仕事にも恵まれ、心を打ちあけて話せる仲間もできました。これからもみんなと心をひとつにしてがんばっていきたい」と、凛(りん)とした口調で話してくれました。

激励を力に― 生き方変わり強くなる ―支援の輪広がる

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「誰かのために何かができる」の思いが強くなったと成田さん(北見)

 北見の地でがんばっている成田純子(じゅんこ)さん(40)も、道東の「支援する会」会員の大きな激励を受けて1年、裁判を通しての思いを、「原告になり、バッシングもあるけれど、それ以上にこれからの生き方が変わるほど得るものが大きくありました。これから自分も誰かのために何かができる、そんな思いのなかで、裁判を通して少し自分が強くなったような気がします」と。
 支援する弁護士も13人になり、若い弁護士の先生たちが、真剣に情熱を傾けて取り組んでくれています。
 生存権裁判を支援する北海道の会は2月7日に第2回の総会を開きますが、この日は、全国連絡会の会長の小川政亮先生を招いて講演を予定しています。
 裁判を応援している会のみんなと原告の思いは、「勝利」をかけた憲法25条を守るたたかいと頑張る決意です。
(細川久美子通信員、写真は佐藤宏和通信員・佐藤 勤さん)


生活保護の母子加算の減額・廃止とは
 国は、父母の一方、または父も母もいない世帯で、16〜18歳の子どものみを養育する一人親世帯の加算を、05年度から段階的に減額し、07年に廃止。また、15歳以下(15歳に達した日以降最初の3月31日まで)の子どもについても07年度から段階的に減額し、09年度には母子加算が全廃に。04年度では1級地の札幌では児童1人(18歳に達した日以降最初の3月31日まで)につき2万3260円の加算がありました。

(2008年12月28日・2009年1月4日合併号「守る新聞」)

 
   
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