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激震「自民王国」の崩壊:衆院選7区・永岡氏派の市議逮捕 買収容疑で /茨城

 ◇報酬認識否認

 県警捜査2課と境署は1日深夜、衆院選選挙区で敗れ、比例復活当選を果たした7区の永岡桂子氏(自民)の選挙活動で報酬の授受があったとして、現金を供与した坂東市市議、渡辺利男容疑者(41)=同市大崎=と受け取った会社員(40)を公選法違反(買収)の疑いで逮捕した。永岡陣営は自民県連の山口武平会長が選対本部長を務め、議席を死守したが、逮捕者が出たことで、ダメージは避けられない状況だ。

 県警捜査2課によると、買収の疑いで逮捕された渡辺容疑者は、人材派遣会社「みなば商会」の社長も務めており、報酬を受け取ったとされるのは同社社員で、常総市水海道森下町、北村周治容疑者。北村容疑者は容疑を全面的に認めているが、渡辺容疑者は現金を渡したことは認めているものの、選挙活動の報酬との認識は否認しているという。

 逮捕容疑は、渡辺容疑者が8月23、24の両日、境町で永岡氏への投票を依頼するなどの選挙活動をする見返りとして、1日1万円、計2万円を北村容疑者に渡したとしている。

 永岡陣営の選対幹部によると、23、24の両日は、渡辺容疑者ら後援会関係者が境町で有権者宅をまわり、チラシを配布したという。幹部は「人が足らず自分の会社の社員を動員したのかもしれない」と話した。

 94年改正の公選法では、選挙違反で選対関係者が有罪になった場合に当選無効となる「連座制」の対象が拡大され、候補者の親族や秘書、選挙運動を指示する「組織的選挙運動管理者」も加わった。今回の社員の立件は、1人だけだが、渡辺容疑者が会社社長として会社ぐるみで社員を動員し、報酬を渡していた場合には、組織的選挙運動管理者に認定される可能性がある。

 県警2課は、渡辺容疑者の陣営での役割や他の社員の関与の有無について慎重に調べている。【原田啓之】

 ◇選対本部長は山口会長 県連、驚き隠せず

 信頼できる政治の確立を公約に掲げた永岡氏の選挙運動員逮捕は、自民党県連内部でも驚きをもって受け止められた。ただ、執行部刷新論で攻防が続く党内政局のまっただ中にいるだけに、「買収事件は一部の跳ね上がり」と切り離して対応しようとしている。

 永岡陣営は、ゼネコン汚職で逮捕、失職後に無所属で政界復帰した中村喜四郎氏と接戦を繰り広げ、中村氏と差別化を図るため選挙戦では「クリーンな政治土壌にしたい」と訴えてきた。最終盤まで劣勢が伝えられる中、選挙活動最終日の29日には山口会長と懇意の麻生太郎首相が選挙区入りするなど、組織を総動員して巻き返しを図っていた。

 ダブル選敗戦を受けて執行部批判を強める中堅県議は「(逮捕容疑が)今どき聞かない古典的な手法でにわかに信じられない」と推移を見守る構えだ。

 選対本部長代行を務めた県連副幹事長の新井昇県議は「事務所としては一切関知していない。捜査を見守りたい」とコメントした。【八田浩輔、山内真弓】

 ◇容疑者宅など数カ所を捜索

 県警捜査2課などは2日午後、坂東市内の渡辺容疑者の自宅や会社事務所など数カ所を家宅捜索した。渡辺容疑者の自宅には午後2時ごろ、捜査車両2台が到着。捜査員10人が段ボールを抱え、家の中に入っていった。隣接する「みなば商会」事務所には、渡辺容疑者の親族が1人で留守番し、社員はだれもいなかった。

 「後援会の運動員にすぎなかった」。渡辺容疑者の役割について永岡陣営の選対幹部は、あくまで渡辺容疑者は末端運動員との認識を強調し、組織的な関与を否定した。

 渡辺容疑者は06年12月の坂東市議選で初当選し、1期目。同幹部によると、今年4月に同氏の後援会に加入した。永岡氏の秘書が体調を崩したことをきっかけに、積極的に後援会活動にかかわるようになったという。渡辺容疑者が「秘書」と印刷された名刺を配って歩いた事実が確認されたが、同幹部は「実際は秘書でも幹部でもなかった。今回払ったのは自分のポケットマネーからだろう」と説明した。【宮本寛治、秋田浩平】

毎日新聞 2009年9月3日 地方版

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