■狼になりたい - 第2回

第2回

カテゴリ : 
狼になりたい
執筆 : 
芦田豊雄 2009-3-29 20:10
 一匹狼じゃなく、一匹モグラ達はなぜJAniCAに反発するのであろうか。
 そのいくつかを述べてみたい。

なぜ芦田なんだ!?(1)

 JAniCAは私が初代代表として、出発することになった。
 「なぜ芦田が代表なんだ!?」
 自分でもそう思う。
 私より代表にふさわしい人はたくさんいる。
 私は昔々読んだ魯迅の「阿Q正伝」を思い出す。
 阿Qは能力以上の役目に付いてしまい、破滅して行く。
 そんな内容だったと思う。判りやすく言えばドン・キホーテに近い男である。
 「自分は阿Qなのではないか」
 常に自問している。

 私はスタジオ・ライブという、主に作画などを受け持つ零細会社の社長である。
 そのため、とりあえずの収入は確保できる。
 いや、こんな事を書いてはマズい。
 所属する者達が反発する。
 社長自身がもっと直接的に金銭的貢献をしないと、会社が崩壊してしまう。
 もっと働かなくてはいけない。
 話がズレてしまった。
 とりあえず収入は確保できる。
 その分、活動はしやすい。
 言い訳だが、私も作画やコンテは描いているのだ。

 なぜ芦田なんだ!?(1)の答えは「一応、社長だし」であった。

なぜ芦田なんだ!?(2)

 2006年の秋、旧虫プロダクションのOB、OG達等で、金山明博さんを囲む会があった。
 その席で私はうっかりと「自分が動いてみます」と発言してしまった。
 2番目の理由は「言い出しっぺ」だからである。
 今の私はカッコいいか悪いかで価値判断する「クローズの赤木春道」みたいなアホである。
 言い出しっぺだから、やらなければカッコ悪い。
 私はとにかく一年間は頑張ってみようと思った。
 一年間やってダメなら「カッコは付く」のではないか。
 そしたら私は脅された。
 私を脅したのは宇田川一彦である。
 旧虫プロの先輩であり、アニメーターのクセに2m近い体躯を持つ男である。
 彼はこの会に「残りの人生70年(笑)」を賭けると言い、私に「ちゃんとやる」事を迫った。
 怯えた私は一年間だけじゃなく、「ちゃんとやる」事を決めたのだ。

 芦田が代表の理由その2は「言い出しっぺ」であった。

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