原因分析報告書、概要版をHPで公表―産科補償制度
日本医療機能評価機構の産科医療補償制度原因分析委員会は9月4日、第7回会合を開き、原因分析報告書の公表について、同機構のホームページ上に個人情報を除いた内容で要約した概要版を掲載することを決めた。また、個人情報を除いた全文については、同機構に対し一定の手続きをした人が閲覧できることとした。
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原因分析報告書は、「事例の概要」「臨床経過に関する医学的評価」「今後の産科医療向上のために検討すべき事項」などについてまとめられ、児の家族や分娩機関にフィードバックすることで、脳性まひの発症の原因についてそれぞれの理解を深め、紛争の防止、早期解決を図ることを目的としている。
一方、産科医療の発展や制度への国民の理解には、透明性が重要なことから、その公表のあり方が課題となっていた。
4日の会合では、事務局側が報告書の公表方法について、「個人情報を含まない内容で要約した概要版を運営組織のホームページ上で全件公表する」「マスキングした報告書の全文は、一定の手続きをした者のみが閲覧できるようにする」との案を提示した。
これに対し、委員からは「患者や分娩機関の了解を取らずに、全文を見せてもいいのか」「公表によって、悪用される恐れがあるのではないか」などの意見が出た。
こうした意見に対し、鈴木利廣委員(弁護士)は、「透明性の観点からも、再発防止の研究に資するという観点からも、個人識別情報に配慮した上での全文公開は原則」とした上で、「悪用防止のために開示請求主義にするというのは一つの方法と思うが、それが原則公開を損なうような運用にしないことが重要」と強調。「社会から分娩担当医の利益に配慮して開示していないのではないかと疑われるようなことがあってはいけない」と述べた。
これらの意見を受け、同委員会は事務局の提案を了承。手続き方法などについては今後、引き続き検討することとした。
更新:2009/09/04 20:33 キャリアブレイン
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