小笠原天井直撃同点打！キムタク急造捕手！総力戦でＭ１９

延長１２回、１０年ぶりにキャッチャーマスクを被った木村拓

　◆巨人３―３ヤクルト＝延長１２回引き分け＝（４日・東京ドーム）　巨人は激闘の末シーズン９試合目の引き分けに持ち込み、優勝マジックを１つ減らして１９とした。

　序盤、不安定な出来だった先発・グライシンガーが２回、３回に１点ずつを失い、打線もヤクルト先発のユウキを打ちあぐねていたが、６回、小笠原の右越え２８号ソロで反撃開始。ところが７回２死満塁から２番手の山口が投ゴロの処理を誤って３点目を許し、勝負あったかに思われたが、ここから思わぬ展開が待っていた。

　巨人は９回１死二、三塁とヤクルト３番手の松岡を攻め、松本の二ゴロでまず１点。２死三塁から、小笠原は高々とフライを打ち上げ万事休すと思った瞬間、打球は東京ドームの天井を直撃し、右翼と二塁の中間のグラウンド上にポトリと落ちるタイムリー二塁打。“想定外”の一打で同点に追いつき、延長戦にもつれ込んだ。

　さらに１１回、巨人先頭の加藤が頭部に死球を受けて退場。すでに阿部、鶴岡も交代し、捕手がひとりもいなくなった巨人は１２回、すべてのポジションを守れる木村拓が公式戦では広島時代の１９９９年以来１０年ぶりにマスクをかぶることになった。木村拓は豊田、藤田、野間口と３人の投手の球を受けて無失点に切り抜けた。最後はベンチ入りした選手をゴンザレス以外全員使い切る総力戦。試合時間５時間２７分はセ・リーグ今季最長となった。

　［試合経過］

　◇１２回
【ヤ】（投手豊田、捕手木村拓、二塁脇谷、三塁中井）田中中飛、（投手藤田）青木三振、武内の代打飯原四球、ガイエルの二塁強襲内野安打で飯原二進、（投手野間口）高木の代打松元三振
【巨】（投手吉川、一塁松元、右翼飯原）脇谷、木村拓ともに三振、谷左飛
（両軍０）

　◇１１回
【ヤ】川島慶遊ゴロ、相川三振、吉本左中間安打、福地三振
【巨】加藤に危険球をあたえ高木頭部危険球退場（代走中井）、（投手鎌田）小笠原三振のとき中井二盗、クルーンの代打工藤三振、亀井敬遠四球、古城三振
（両軍０）

　◇１０回
【ヤ】（投手クルーン、捕手加藤、一塁小笠原、二塁木村拓、三塁脇谷、遊撃古城、左翼谷、中堅鈴木、右翼亀井）青木右前安打、武内の捕前バントで青木二進、ガイエル三振、宮本右飛
【巨】（投手高木、三塁吉本）亀井三振、古城右前安打、脇谷四球で古城二進、木村拓の左邪飛で古城三進、谷敬遠四球で満塁、鈴木投ゴロ
（両軍０）

　◇９回
【ヤ】（投手木村正）松岡三振、福地左飛、田中三振
【巨】鶴岡の代打木村拓二ゴロ、谷遊撃内野安打、坂本のとき暴投で谷二進、坂本の右前安打で谷三進（坂本の代走鈴木）、松本のとき鈴木二盗、松本の二ゴロで谷生還、鈴木三進、小笠原の右前二塁打で鈴木生還、ラミレス二ゴロ
（ヤ０、巨２）

　◇８回
【ヤ】青木二ゴロ、武内死球、ガイエル死球で武内二進、（投手越智）宮本の中前安打で満塁、川島慶の遊ゴロで武内本封、なお満塁、相川遊ゴロ
【巨】（投手李）松本四球、小笠原三振、ラミレスの中前安打で松本二進、亀井の中前安打で満塁、（投手松岡）越智の代打大道、脇谷ともに三振
（両軍０）

　◇７回
【ヤ】ガイエル中前安打、宮本の投前バントでガイエル二進、川島慶四球、相川三振、ユウキの代打四球で満塁、（投手山口、一塁亀井、右翼谷）福地の投ゴロ失でガイエル生還、なお満塁、田中中飛
【巨】（投手松井）脇谷、鶴岡ともに遊ゴロ、谷中前安打、坂本左飛
（ヤ１、巨０）

　◇６回
【ヤ】田中三振、青木中飛、デントナ三振
【巨】（一塁武内）松本遊ゴロ、小笠原右越２８号本塁打、ラミレス三振、亀井左前安打、阿部三振
（ヤ０、巨１）

　◇５回
【ヤ】相川左飛、ユウキ二ゴロ、福地三ゴロ
【巨】鶴岡三ゴロ、グライシンガー中飛、坂本左飛（両軍０）

　◇４回
【ヤ】ガイエル一邪飛、宮本四球、川島慶遊ゴロ併殺打
【巨】ラミレス捕邪飛、亀井バント三塁内野安打、阿部、脇谷ともに三振
（両軍０）

　◇３回
【ヤ】福地四球、田中の投前バントで福地二進、青木の中前安打で福地生還、デントナ三振のとき青木二盗失敗
【巨】グライシンガー三振、坂本左飛、松本左中間二塁打、小笠原三振（ヤ１、巨０）

　◇２回
【ヤ】デントナ中飛、ガイエル中前安打、宮本の左翼線二塁打でガイエル生還、川島慶の右前安打で宮本三進、相川三飛、ユウキ三振
【巨】阿部三塁内野安打、脇谷の遊ゴロで阿部タッチアウト、鶴岡の二直で脇谷一塁併殺
（ヤ１、巨０）

　◇１回
【ヤ】福地右前安打、田中の投前バントで福地二進、青木の右飛で福地三塁狙うもタッチアウト
【巨】坂本二飛、松本中前安打、小笠原の中越二塁打で松本三進、ラミレス二飛、亀井遊ゴロ
（両軍０）