政権交代実現を受け、東京都内の書店に民主党関連の書籍が多く並んでいる。党の政策を解説した本の売れ行きも好調だ。同時に幕末の激動期をテーマにした書籍も人気を集めているといい、「変革」に対する関心の高さがうかがえる。【工藤哲】
JR東京駅近くの丸善丸の内本店は、投開票翌日の8月31日、入り口近くに民主党に関する単行本や新書約50点を集めた特設コーナーを設けた。コーナーには「私たちが選択した明日。日本は変わるか?」と書かれた看板が掲げられている。
「民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?」(1500円、ダイヤモンド社)などの売れ行きが好調で、重点政策の年金問題の解説書も並んでいる。政権交代で日本が大きく変わることが予想されるため、隣に「大転換の時代を生き抜く術(すべ)」と銘打った売り場も設置。幕末や戦後の混乱期の時代状況を伝える書籍約300点を並べた。
足を止める人は予想以上に多く、特に「大転換」コーナー前は「本の入れ替えがしにくいほど立ち止まる人が多い」(担当者)という人気ぶり。最近まで不況の影響で経済関係の本が並んでいたが、担当者は「選挙を契機に政治関係の本が増えるのでは」とみる。
JR高田馬場駅近くの芳林堂書店では、選挙ムードが高まり始めた7月ごろから民主党関連の本が徐々に売れ始めた。中高年の男性が手に取る姿が目立つという。現在は十数冊が並び、「まるごとわかる! 民主党政権」(1200円、講談社)などが売れている。
担当者は「組閣が行われれば、政治家個人への関心も高まる」とみて、注文を増やすことも検討している。
毎日新聞 2009年9月3日 東京夕刊