市民が行政・議会・一部のネット族を監視するための辛口情報紙・東村山市民新聞

『倶会一処』
「天声人語」(朝日新聞79年10月1日付け)より |
「いのちの初夜」を書いた北条民雄は、ハンセン病療養所の多磨全生園で死んだ。園内での死者番号は1560番だった。かけつけた川端康成は「こんなみすぼらしい死体をみると、もうなにもしてやれなくなったことが、よけいつらかった」と書いた。42年前のことである。▼その多磨全生園が数日前に創立70周年を迎えた。それを記念して、患者たちが『倶会一処』という本をつくった。疎外され、隔離され、いやしめられながらなお、生きるために命を燃やし続けた人々の70年の記録である。思わず、夜を徹して読んだ。▼全生園の骨堂には倶会一処の四文字が刻まれている。ともに一処に会う、の意味だ。この園に強制的に隔離されてきた患者は70年間で8千人を越えた。(追記あり) |

|