この太陽の放出するエネルギーが何によりもたらされているか、考えてみる。
上でみたように、現在、太陽は
[W]の割合で
エネルギーを放出している。このエネルギー放出率(光度)があまり変化して
いなかったとすると、太陽が光として「放出可能な全エネルギー」が明らかになれば、
どのくらい太陽が輝き続けられるかの時間、つまり、太陽の寿命を以下の式で
換算することができる。
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放出可能な全エネルギーは、石炭のような化石燃料の場合、
である。
したがって、石炭が太陽のエネルギー源であるとすると、輝いている寿命は、
である。ここで、1年が
秒であることを用いている。
地球の歴史はこれより長いことは、知られているし、人間の歴史程度も持たない
ので、化石燃料がエネルギー源ではあり得ない。
太陽が大部分は水素=陽子と電子でできていると考え、核融合により、
それがすべてヘリウムに変わった場合に、解放されるエネルギーを考える。
この水素がヘリウムに変わる時に発生するエネルギーを原子核エネルギー
と呼ぶことにする。
4個の水素が核融合反応を起こすことによって1個のヘリウムが作られるが、こ
のとき質量欠損が生じる。この場合、水素の0.8%が質量欠損となる。
この質量はエネルギーと等価であり、
により、
エネルギーに換算できる。
太陽の質量は
よって、太陽の核融合エネルギーは
[J]である。
このエネルギーで太陽が輝いていられる時間を求めると、
太陽は1秒間に
(J)のエネルギーを放出しているから、
[秒]となる。
年に換算すると、
[年]になる。核エネルギーであれば十分太陽
のエネルギー源となることができる。
太陽のガスは重量濃度で約75%が水素で、残りの大部分はヘリウムです。太陽で
は核融合反応が起こっている中心領域の質量が全質量の1割程度です。太陽の寿
命は(中心で水素が消費し尽くされるまでの時間は)
[年]の10分の
1の110億年程度になります。
HANAMI Hitoshi / 平成17年12月13日