ニュース:事件 RSS feed
【裁判員3例目 結審(10)】「AVを実行したのでは」との質問に「たぶんそう」…被告みつめる裁判員 (4/4ページ)
検察官「せっかく就職できたのに感謝の気持ちはなかったのですか」
被告「そういう気持ちより今の人生を投げ出したい気持ちが強かったです」
検察官「小学生時代から万引きをしたり、高校時代にも空き巣に入ったりしていましたね」
被告「はい」
検察官「あなたの言葉を借りれば、仮面の裏で繰り返していたということですね」
被告「はい」
《向かって右端の男性裁判員6番は、額や口に頻繁に手をあてて、考え込む様子を見せている。検察官は、被告の性癖を明らかにする質問を加えていく》
検察官「ところで、アダルトビデオを300本ぐらい集めたと言っていますね」
被告「100本ちょっとだと思います」
検察官「正確には、警察が車から6本、自宅から84本押収していますが、古い言葉ですがモザイクが掛かっていない『裏ビデオ』だったようだけど、間違いないですね」
被告「はい」
検察官「その中には強姦ものやSMものがありましたか」
被告「多分あったと思います」
検察官「第4事件ではBさんが生意気だったから制裁をしたのですね」
被告「はい」
検察官「アダルトビデオの世界を現実に実行しようとしたのではないのですか」
被告「多分そうだと思います」
《裁判員らはじっと被告をみつめていた》
検察官「(前の被告人質問で)性犯罪の苦しみがわかったと言っていましたが、被害者のつらさを知るだけで犯罪が防げるわけではないのはわかりますね」
被告「はい」
検察官「2度と犯罪をしないと約束すると言っていましたが、問題は社会に戻ってからどうなのかということですね」
「(社会復帰してから)就職がうまくいかないこともあるかもしれません。就職できても仕事がきついかもしれません。人間関係にストレスを感じるかもしれません。そういう状態に陥っても事件を起こさないことがポイントだということはわかりますね」
被告「はい」
《弁護側の情状で、供述や言葉で反省の姿勢をアピールしてきた被告。検察官は、裁判員が被告に同情を寄せることを食い止めようとしているようだ》
このニュースの写真
関連ニュース
- 【裁判員 結審(11)】検察官の厳しい追及に言葉が詰まらせる被告…裁判員の目にはどう映ったか
- 【裁判員3例目 結審(9)】裁判員見つめる中、更正誓う被告「自分はもう1人じゃない」
- 【裁判員3例目 結審(8)】「成人したので借金で“娯楽”」…裁判員はあきれ顔
- 【裁判員3例目 結審(7)】被告の不幸な境遇を詳細に質問する弁護人…裁判員は厳しい表情で思案
- 【裁判員3例目 結審(1)】「大きな不自由なく育ててきたつもり」 祖母の調書読み上げに被告は表情変えず…
- 被告の設定「不名誉」 最高裁「裁判員」映画に青森反発
- 【裁判員3例目】初の情状証人が出廷 ビデオリンクによる被害者肉声陳述も
- 【裁判員裁判】きょう2日目 初の性犯罪事件
- 【裁判員3例目 弁護側冒頭陳述】育った環境が人格形成に強い影響
- 【裁判員3例目 検察側冒頭陳述】心の深い傷は癒えず