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【裁判員3例目 結審(8)】「成人したので借金で“娯楽”」…裁判員はあきれ顔 (2/3ページ)
《初めて「自由」を満喫したという田嶋被告。しかし1年後、地元に戻ることになる》
弁護人「十和田に戻ることになってどんな気持ちでしたか」
被告「東京に出て自由を知った分だけ、しがらみに縛られていくのが辛くて…。それを考えるのが辛く感じていました」
弁護人「そこから逃れようとしましたか」
被告「友達とカラオケボックスに行ったり、飲み屋で飲んだり、パチンコにも行くようになりました。同じ年の子供とよく遊ぶようになりました」
弁護人「それは(勤務先の)給料で払えましたか」
被告「いいえ」
弁護人「どのように払っていたのですか」
被告「成人して、借金ができるようになり、それで払いました」
《借金を重ねてまで、「娯楽」にのめり込んだ田嶋被告。みけんにしわを寄せて質問に聞き入っていた左から3番目の男性裁判員は一瞬あきれたような表情を浮かべた》
弁護人「借金は返済できましたか」
被告「いいえ」
弁護人「金額は?」
被告「300万は超えていたと思います」
弁護人「借金について周りの大人は気づいていましたか」
被告「いいえ」
弁護人「意識して隠しましたか」
被告「はい」
《家族や勤務先には借金を重ねていることを隠し続けたという田嶋被告。右端に座る男性裁判員は前のめりになり、視線を田嶋被告に集中させている》
弁護人「飲みに行ったりパチンコしたり、そういうことを止めることはできなかったのですか」
被告「一度は(借金が)返済できなくなると考えて、止めようと思ったこともあります。ただ、その気持ちよりも逃げたい、辛い気持ちを紛らわせたい、という方が強かったです」
「楽しさの方が優先してしまい、借金が増え、『周りには絶対言えない』という思いがありました」
弁護人「良い子のイメージが崩れるのが怖かったのですか」
被告「はい」
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