ニュース:事件 RSS feed
【裁判員3例目 結審(7)】被告の不幸な境遇を詳細に質問する弁護人…裁判員は厳しい表情で思案 (1/3ページ)
《田嶋靖広被告(22)に対する被告人質問が続く。弁護人は田嶋被告の生い立ちや、歩んできた人生について明らかにしようとする》
弁護人「高校生の時、第2事件と第4事件の犯行を行った(被害者Bさん宅の)隣のアパートに空き巣に入っていますね?」
被告「そのころから、祖母や墓や家のことを言われて。どこまでいい子をやればいいのかという気持ちが強かったです」
弁護人「周りの大人からそれを言われ続けた?」
被告「中2のときに千葉から青森に引っ越して、こっちの中学に通うようになり、親戚(しんせき)から『墓はいつ建てるんだ』などといわれ続けました」
「『中学生なのに、どうやって墓を建てるんだ』という気持ちもありましたが、それも我慢しました。『祖母の面倒を見るのはお前』『家を離れるな』と言われ、自由がないと感じました」
《“責任”を押しつけられ、“抑圧”されたと振り返る田嶋被告。右から2番目に座る女性裁判員は、厳しい表情で田嶋被告を見つめていた》
弁護人「そういったことを重荷に感じていた?」
被告「はい」
弁護人「周囲と自分を比べてどう思いましたか」
被告「中学生で働いてなく、お墓なんて全然考えられないです。(同級生の)みんなは進路のこと、好きな人と同棲(どうせい)して家を出るような話をしていました」
「でも、自分は家から出られない人間です。違う環境の人間に理解してもらえないだろうと思いました」
弁護人「それでも、周りの要求は変わりませんでしたね」
被告「はい。『良い子』の仮面をかぶらないといけない前提でした。だだをこねてはならない、自分が我慢しないといけないと思いました」
《育った環境への不満をあらわにする田嶋被告。左から3番目に座る男性裁判員は、険しい表情で田嶋被告の受け答えに聞き入っていた》
このニュースの写真
関連ニュース
- 【裁判員3例目 結審(9)】裁判員見つめる中、更正誓う被告「自分はもう1人じゃない」
- 【裁判員3例目 結審(8)】「成人したので借金で“娯楽”」…裁判員はあきれ顔
- 【裁判員3例目 結審(6)】「大人は何もしてくれない」…嗚咽する被告に裁判員は
- 【裁判員3例目 結審(5)】「愛というものから自分から逃げた」…被告の“反省文”にうなずく女性裁判員
- 【裁判員3例目 結審(4)】「被告からの謝罪は?」「特に…」 裁判員からの質問に祖母
- 【裁判員3例目 結審(3)】「弱虫で泣き虫でした」 被告の祖母が証言台へ
- 【裁判員3例目 結審(1)】「大きな不自由なく育ててきたつもり」 祖母の調書読み上げに被告は表情変えず…
- 【裁判員3例目】初の情状証人が出廷 ビデオリンクによる被害者肉声陳述も
- 【裁判員3例目 弁護側冒頭陳述】育った環境が人格形成に強い影響
- 【裁判員3例目 検察側冒頭陳述】心の深い傷は癒えず