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漢字解放への道

一言メッセージ：正字正假名マスターを目指して

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仮

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この『漢字開放への道』は正假名遣ひで書いてゐます。歴史的假名遣ひ・舊假名遣ひとも呼ばれてゐますが、日本語としては正假名遣ひが正しい假名遣ひです。本來假名遣ひは一つしかない筈ですが、現代假名遣ひ・新假名遣ひが作られたことによりをかしなことになりました。

現代假名遣ひ・新假名遣ひとは、表音主義の名の下、一音一字・一字一音を原則とし、戰後の國語改革で強引に採用されたものです。だいたい現代の標準的發音を據り所に假名で書き表すといふものです。
しかし、不合理・不徹底・論理的混亂が指摘されてをります。現代假名遣ひの不合理さは『私の國語敎室』（福田恆存著）を筆頭にいくつも本が出版されてゐるので、ここでは深くは觸れません。ひとつ代表的なものだけ紹介すると、『私は』『學校へ』『父を』の樣な助詞です。この『は』『へ』『を』は正假名遣ひそのものであり、表音主義に反してゐます。

私は現代假名遣ひ早期撤廢を望んでをります。

さて今回は「仮」
正字では「假」

「叚」が音（カ）を表し、また「叚」だけでも『かる・かす』の意味があります。「暇」「瑕」「霞」が同類です。「反」になり音・意味の兩方を失つてしまひました。

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灯

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＊＊＊　　　　　　　　　　　　　　＊＊＊
＊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
＊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　冬の夜
　　　　　　　　　　　文部省唱歌

　　　燈火ちかく衣縫ふ母は
　　　春の遊びの樂しさ語る
　　　居竝ぶ子供は指を折りつつ
　　　日數かぞへて喜び勇む
　　　圍爐裏火はとろとろ外は吹雪

　　　圍爐裏のはたに繩なふ父は
　　　過ぎしいくさの手柄を語る
　　　居竝ぶ子供はねむさ忘れて
　　　耳を傾けこぶしを握る
　　　圍爐裏火はとろとろ外は吹雪

＊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
＊　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
＊＊＊　　　　　　　　　　　　　　＊＊＊

耳にする機會は減りましたが、私はこの歌が好きです。ゆつたりとしたメロディで一語一語が心に染み入ります。外と内の温度差が雪の白と火の赤で手に取る樣に分かります。
燈火（ともしび）は蠟燭でせうか。最近は使ひませんね。

「灯」よりは「燈」の方が温かさを感じます。（畫數が多いからかな？）「灯」は俗用だつた樣です。音も「登」（トウ）で繫がつてゐますので、やはり「燈」を使ひたいですね。

今日もとても寒い。圍爐裏で暖をとる生活は現代では贅澤でせうか。いつかその樣な生活がしたいです。

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黒

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前回の「黨」からの流れで今回は「黒」にします。

正字では「黑」

中の點々は煙突の中に煤が詰まつてゐる樣子ださうです。

新字體では横棒一畫となつてしまひました。

ちなみに『白黑』『黑白』の差について。
『白黑』（しろくろ）
　　モノクローム
　　驚いた時にさせる目　　　　　　例　『目を白黑させる』
『黑白』（くろしろ・コクビヤク）
　　正と邪と
　　有罪と無罪と　　　　　　　　　　例　『今度こそ黑白をつける』

使ひ分けるのが日本語マスターでせうか。

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党

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今回はいつもよりも小難しい話題で。

今アメリカは大統領選の話題で持ちきりの樣です。
民主黨のヒラリーさんとオバマさん、共和黨のマケインさんがよくメディアで取り上げられてゐますね。特に民主黨の二人の露出が多い。本選を爭つてゐるかの樣に受け取れる報道です。アメリカは二大政黨制がしつかりと定着してゐます。
翻つて我が日本。自民黨と民主黨の二大政黨制に向かつてゐるような流れですが、まだまだ民主黨が未熟で、確立されてゐません。私見としては、利権まみれの自民黨と未熟な民主黨が交互に政權を擔ふことで、より良い方向に向かふのではと思つてゐます。

そこで今回は「党」です。
正字では「黨」です。

「黨」　　黑部　八畫
　　　　　音：タウ
　　　　　意味：イ…周代行政區劃上の自治團體の名前
　　　　　　　　　ロ…自分の生まれた郷里
　　　　　　　　　ハ…みうち、うちわ
　　　　　　　　　ニ…なかま、くみ
　　　　　　　　　ホ…おもねる
　　　　　　　　　ヘ…互に惡事を隱して助けあふ　　　等

「党」は元々別の字として存在してをり、「黨」の略字としても用ゐられてゐたので、新字體として採用された樣です。
「黨」は黑部でもあることからあまり良い意味では使はれてきませんでした。『徒黨を組む』『惡黨』『殘黨』等々。「党」を使ふことで黑部では無くなり、惡い意味の印象が薄くなつた樣に思へます。

政黨に屬する人達は、私黨ではなく公黨を目指してほしいものですね。

最後に少し寄り道。同じ黑部で「黴」と言ふ漢字を見つけました。『黴菌』（バイキン）の「黴」です。よく『ばい菌』『バイ菌』と交ぜ書きされてゐます。數少ない黑部の漢字として、がんばつてほしいものです。

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当

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ミニロトを買ひ續けてゐます。もう何か月も續けてゐます。去年の年末、やうやく千円當りました。それ一回だけです。しかし、『繼續は力なり』と思ひ、買ひ續けます。自分自身に言ひ聞かせてゐます。

さて、今回は「當」です。

「當」→「当」
少し強引な気がしますね。略字か俗字の樣です。

「當」は田部の八畫で、音はタウ、意味は　あたる・まさに○○すべし・この　等。
同じ仲間に「堂」（ダウ）「常」（ジヤウ）「黨」（タウ）があります。
何となく音が似てゐますね。「当」では仲間はづれになつてしまひ、さらに部首までも無くなつてしまひます。

手書きする時は略字を使ふ事もあると思ひますが、それを活字にする、さらには學校で、さも正しい字の樣に敎へるのはいただけません。

ミニロトは當るまで買ひ續ける豫定です・・・。