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【裁判員3例目 結審(6)】「大人は何もしてくれない」…嗚咽する被告に裁判員は (2/4ページ)
このニュースのトピックス:自殺
被告「いいえ」
弁護人「いつごろ亡くなりましたか」
被告「7歳のときだと思います」
弁護人「母親との思い出はありますか」
被告「はい。一緒に遊園地に行ったり、母の友人の引っ越しを手伝いに行ったり、幼稚園の帰り道に遊んだり、そのぐらいです」
弁護人「母親には愛されていましたか」
被告「はい」
《右から2番目に座る女性裁判員は被告の方を見つめて何度もうなずいている》
弁護人「亡くなったときはどんな気持ちでしたか」
被告「心に穴が開いて、自分で支えきれないショックを受けました」
弁護人「母親の葬式は覚えていますか」
被告「祖母が取り乱して泣いていたのを覚えています。祖母が泣いているので、自分がしっかりしないと、と思いました」
弁護人「祖母と2人で暮らしていましたか。さびしい思いをしたことはありますか」
被告「はい」
弁護人「特にどんなときに?」
被告「友達の家に行けば、当たり前のように家族がいて仲良くしているのを見て、孤独だと思ったり、夜に母のことを思いだすとさびしく思ったりしました。周りからは親がいない子だと思われ、物珍しい目で見られました。同情の言葉を掛けられたこともありました」
弁護人「さびしい気持ちを表に出すことはなかったのですか。誰かに伝えることはなかったのですか」
被告「周りの大人に素直な気持ちをいっても理解されないだろうと思っていましたし、同情の目で見られていたので。祖母にも母のことを思いださせて悲しませると思いました。祖母が頑張っているのが痛いほどわかったので言えませんでした」
《弁護人は、被告の内面を探る質問を重ねていく》
弁護人「どんな振る舞いをしていましたか」
被告「常に笑顔で明るく振る舞っていました」
弁護人「意識してですか」
被告「はい」
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