親に孝養を盡くす
兄弟・姉妹は仲良くする
夫婦はいつも仲むつまじくする
友人は互ひに信じあつて付き合ふ
自分の言動を愼む
廣く全ての人に愛の手をさしのべる
勉學に勵み職業を身につける
智識を養ひ才能を伸ばす
人格の向上に努める
廣く世の人々や社會の爲になる仕事に勵む
法律や規則を守り社會の秩序に從ふ
正しい勇氣を持つて國のため眞心を盡くす
以上の文章を讀んで皆さんどう思はれますか？
「良い事、書いてゐるなあ・・・・・。」
「をかしな事ではないなあ・・・。」
「當たり前かな。」
・・・・・・・・・・・ぐらゐでせうか。
これは�外薀柾陬好諍展�、所謂（いはゆる）�外蠣展譟紛軌蘢叱譟�です。
明治二十三年（１８９０年）に發布された、明治天皇から臣民（今で言ふ國民）に對して發せられた御言葉です。
現代でも學校の生徒に讀ませただの暗記させただのと、たまにニュースになつたりします。
しかし内容そのものは全然をかしくなく、寧（むし）ろ全うな事しか言はれてゐません。
現在の�外藉靄榾，茲蟲�範となる内容だと私は思ひます。
最初の文章は十二の��目と呼ばれる、この敕語の柱です。
最近の我々はこのたかだか十二の規範さえ忘れてゐるのではないでせうか。
以下原文を掲載します。
朕惟フニ、我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ��ヲ樹ツルコト深厚ナリ。
我カ臣民、克ク忠ニ克ク孝ニ、億兆心を一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ�外蕕諒ジ史鰌薀忘．紡献后�
爾臣民、父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ、朋友相信シ、恭儉己レヲ持シ、博愛衆ニ及ホシ、學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ、��器ヲ成就シ、進テ公�坤鰈▲瓠∪ぬ灰魍�キ、常ニ國憲ヲ重シ、國法ニ遵ヒ、一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ。是ノ如キハ、獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン。
斯ノ道ハ、實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所、之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス。朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其��ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ。
明治二十三年十月三十日
御名御璽
それと、國民道��協會が譯した現代語譯が廣く滲透してゐる樣ですが、この譯に私は違和感を感じます。
かと言つて自分で譯する能力も時間もないのですが・・・・・。
『詳説日本史資料集』（山川出版社）の現代語譯の方が、より當時の雰圍氣を壞さず傳へてくれてゐる氣がします。
今回は『敕語』の「勅」
正字では「敕」
「敕」 攴部 七畫
音：チヨク
意味：いましむ、つつしむ、みことのり、みことのりす
右側が正字と新字體とでは違ひます。
正字・・・「攵」
新字體・・・「力」
部首が攴部なので、それを變更してはいけません。
しかし、元の字は「勑」であり、「勅」も字源においては別字であるが、「敕」の俗字として使はれてゐた樣です。
十二の��目は以下の通りです。
１ 孝行(カウカウ)
２ 友愛(イウアイ)
３ 夫婦ノ和(フウフノワ)
４ 朋友ノ信(ホウイウノシン）
５ 謙遜(ケンソン)
６ 博愛(ハクアイ)
７ 修學習業(シウガクシフゲフ)
８ 智能啓發(チノウケイハツ)
９ ��器成就(トクキジヤウジユ)
１０ 公�裟ぬ�(コウエキセイム)
１１ 遵法(ジユンパフ)
１２ 義勇(ギユウ)
|