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【裁判員3例目 結審(6)】「大人は何もしてくれない」…嗚咽する被告に裁判員は (1/4ページ)
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《書証の取り調べが終わり、改めて被告人質問に移った。祖母の証言や検察側、弁護側の証拠調べをほぼ無表情のまま聞いていた田嶋靖広被告(22)は、ゆっくりと真ん中に進み出て証言台に腰を下ろした。小川賢司裁判長が「切りがいいところで、昼休みを入れたいと思います」と告げた後、弁護側の被告人質問が始まった》
弁護人「どこで生まれましたか」
被告「千葉県四街道市です」
弁護人「誰と暮らしていましたか」
被告「母と祖母と3人で暮らしていました」
弁護人「父親はいなかったのですか」
被告「私が生まれる前後に離婚したと聞いています」
弁護人「父親はいつ亡くなりましたか」
被告「中1ぐらいだと記憶しています」
弁護人「生きていることはいつ聞きましたか」
被告「小3か小4ごろに生きていると聞きました」
弁護人「それまではどうでしたか」
被告「そのころまでは、交通事故で亡くなっていると聞いていました」
弁護人「生きていると聞いてどう思いましたか」
被告「父親という存在がなかったので、会いたいとか恋しいという感情は生まれませんでした」
弁護人「父親には一度も会っていませんか」
被告「自分に会いに来たことが一度あったそうです。ただ、私に会いたいという理由で母や祖母に金を借りに来たということだったので、伯父が怒って追い返したそうです」
弁護人「それを聞いてどう思いましたか」
被告「一度は会いに来てくれたと思ってうれしかったのですが、金を借りに来たと知って、自分は愛されていなく、捨てられたのだと感じました」
《弁護人は親戚の陳述書や祖母の証人尋問を通じて、被告の不幸な生い立ちを強調していたが、改めて被告本人の口からも聞き出そうとしているようだ》
弁護人「母親は生きていますか」
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