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【裁判員3例目 結審(5)】「愛というものから自分から逃げた」…被告の“反省文”にうなずく女性裁判員 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:裁判員制度
弁護人「本を読み、少しずつ気持ちに変化が生まれてきています。今は自分のしたことを悔い、おわびしたい気持ちでいます。自分に似た顔の人間や、事件当時と似た状況に遭遇すると、被害者の方は事件のことを思いだしてしまうのだと思います。本当に自分のしたことは取り返しのつかないことだと思います」
《次に弁護人は、田嶋被告が直筆で書いたという拘留中の心境を書き留めたノートを法廷内の大型モニターに映し、読み上げた》
弁護人「自分という人間がよく分からない、母が死んだとき、あまりに苦しくて、愛というものから自分から逃げた。愛していた存在がいなくなる恐怖から、誰も愛せなくなった。それ以降、人を大切に思ったことはない。誰かの家で友達が母親と笑っている姿をみるのがつらかった。一緒に笑っていないといけなかったのに、走って逃げた」
《さらに、拘留から3カ月が経過した時点に書かれた反省文を大型モニターに映し出した。読み上げる弁護人の口調が力を帯びていく》
弁護人「ようやく今まではなかった感情を感じるようになった。被害者は心の傷の苦しみに1人で耐えなければならない。ずっと被害者の気持ちを忘れずに生きていかないといけない。もしおばあちゃんが生きているうちに戻ってこれたら、愛を込めてだきしめてあげたい。出所後は、親がいない子供の施設にかかわりたい」
《右から2番目の女性裁判員は、読み上げの内容をうなずきながら聞き入り、左から2番目の男性裁判員は、額に手を当てながら、まゆをしかめていた。一方、自分の反省文が読み上げられた田嶋被告だが、特に動きはなく、無表情のままだった》
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