「ネットで講師を探した」らカルト布教使だった=NHK文化センターはカルト宗教の草刈り場?(1)
2009年09月04日07時52分 / 提供:PJ
【PJニュース 2009年9月4日】日本放送協会(NHK)の子会社であるNHK文化センターの盛岡教室と北上教室で、宗教法人「浄土真宗親鸞会」(本部・富山県射水市)の布教使による講座が開講されていることがわかり、カルト宗教問題に取り組む人々から抗議の声があがっている。
問題となっているのは、親鸞会布教使・谷川秀大氏による「歎異抄に学ぶ」。7月上旬から9月下旬まで全6回のコースで、テキストは親鸞会の創設者である高森顕徹会長の著書『歎異抄をひらく』だ。版元の一万年堂出版も、親鸞会系列の出版社である。NHK文化センター本社によれば、同講座は盛岡教室で9人、北上教室では13人が受講している。
これに対して、カルト脱会者・弁護士・宗教者・研究者などでつくる「日本脱カルト協会(JSCPR)」が8月22日付けで、講座の中止、今後こうした講師を採用しないこと、すでに受講した人々への説明を求める「要請書」をNHKやNHK文化センター宛に送付。「浄土真宗親鸞会被害家族の会」(以下、家族の会)も申し入れを行う予定だという。「親鸞会の最大の問題点は、正体を隠したダミーサークルを全国の大学に設立して学生を勧誘する点」だと語るのは、元信者のA氏だ。
「親鸞会は浄土真宗とは全く関係のない単独の宗教団体です。大学では、聞いただけでは何のサークルかわからない横文字の団体名をよく用いますが、名称は大学ごとに違い、親鸞会という団体名はおろか仏教団体であることすら隠す。もっとも狙われるのは新入生です。春先に勧誘して、1カ月ほどかけて、なんでも相談に乗ってくれるよき先輩としての関係を築く。そしてゴールデンウィークの勉強会合宿で『人は死後、必ず無間地獄に落ちる』などと親鸞会の教義を語って、ここで初めて自分たちの正体を明かし、親鸞会の法話などに誘って入信させます」
脱会した元信者のウェブサイトなぜ私は親鸞会をやめたのかに掲載されている、親鸞会東海学生部の勧誘マニュアル「新勧注意事項には、「宗教ですかの質問には、はっきり否定する」と書かれている。膨大な禁止項目には、「先生(高森顕徹会長)のお名前は出さない」「御報謝(献金)の話はしない」「本会役職名をいわない」「部会の始終に合掌をしたり、言わない」「念仏を称(とな)えない」「念珠を出さない」といったものも。信者を増やすためなら自らの信仰活動を我慢してまで偽装するという徹底ぶりだ。
「親鸞会内部では、ことあるごとに、『教えに逆らえば地獄に落ちる』といったたぐいの話をされる。そんな環境で献金を勧められるため、中には学生なのに年間100万円近い献金をしてしまっている人もいました。もともと親鸞は『教えに逆らえば地獄に落ちる』などと言っていないのですが……」(A氏)
そんな団体の布教使にNHK文化センターが講座を任せたことについて、「家族の会」代表幹事のB氏は不安を募らせる。
「親鸞会にしてみれば、公の機関からお墨付きを得たようなもの。たとえその講座の中で勧誘が行われなかったとしても、ほかの場所で『NHK文化センターでも講座を持っている素晴らしい団体だ』などとして、勧誘トークの材料にするでしょう。もともと親鸞会は、ダミーサークルが主催する講演会などに大学講師など招き、『さらに別の場所で○○先生も賛同してくれているサークルです』などと勧誘の材料にしています。NHK文化センターは、カルト問題への認識があまりに希薄です」(B氏)
NHK文化センターは、なぜこんな宗教団体の布教使を講師として採用したのか。
「うちで歎異抄の講座をやりたいということで講師を吟味し、ネットで『歎異抄をひらく』の情報を見つけて、(親鸞会関係者に)講師を依頼しました。先方から売り込みがあったわけではありません」(同社盛岡支社長)
NHK文化センターのウェブサイトには、「NHKの放送事業で培った豊富な文化情報と人脈を活かし、一流の講師による新鮮で魅力ある講座を多彩にラインナップして、皆さまのご期待に応えていきます」と書かれている。しかし実際には、放送事業の人脈とは関係なくネット検索で講師を選んでいたのである。前出のA氏もあきれるばかりだ。
「『歎異抄をひらく』をネットで見つけたのなら、同じように親鸞会についてもネット検索をすれば、いくらでも情報を得られたはず。講師は、はっきり親鸞会布教使を名乗っていたのだから。NHK文化センターは、その程度の事前調査もしていなかったんですかね」(A氏)
結局、NHK文化センターは、講座を中止する方針を決定。8月28日、盛岡教室で予定通り講座が開催されたが、受講者たちには、その日限りで講座が中止される旨が伝えられた。北上教室でも9月4日で中止される見込みだ。盛岡教室での「最後の講義」の後、教室を出てきた受講者に話を聞いた。【つづく】
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問題となっているのは、親鸞会布教使・谷川秀大氏による「歎異抄に学ぶ」。7月上旬から9月下旬まで全6回のコースで、テキストは親鸞会の創設者である高森顕徹会長の著書『歎異抄をひらく』だ。版元の一万年堂出版も、親鸞会系列の出版社である。NHK文化センター本社によれば、同講座は盛岡教室で9人、北上教室では13人が受講している。
これに対して、カルト脱会者・弁護士・宗教者・研究者などでつくる「日本脱カルト協会(JSCPR)」が8月22日付けで、講座の中止、今後こうした講師を採用しないこと、すでに受講した人々への説明を求める「要請書」をNHKやNHK文化センター宛に送付。「浄土真宗親鸞会被害家族の会」(以下、家族の会)も申し入れを行う予定だという。「親鸞会の最大の問題点は、正体を隠したダミーサークルを全国の大学に設立して学生を勧誘する点」だと語るのは、元信者のA氏だ。
「親鸞会は浄土真宗とは全く関係のない単独の宗教団体です。大学では、聞いただけでは何のサークルかわからない横文字の団体名をよく用いますが、名称は大学ごとに違い、親鸞会という団体名はおろか仏教団体であることすら隠す。もっとも狙われるのは新入生です。春先に勧誘して、1カ月ほどかけて、なんでも相談に乗ってくれるよき先輩としての関係を築く。そしてゴールデンウィークの勉強会合宿で『人は死後、必ず無間地獄に落ちる』などと親鸞会の教義を語って、ここで初めて自分たちの正体を明かし、親鸞会の法話などに誘って入信させます」
脱会した元信者のウェブサイトなぜ私は親鸞会をやめたのかに掲載されている、親鸞会東海学生部の勧誘マニュアル「新勧注意事項には、「宗教ですかの質問には、はっきり否定する」と書かれている。膨大な禁止項目には、「先生(高森顕徹会長)のお名前は出さない」「御報謝(献金)の話はしない」「本会役職名をいわない」「部会の始終に合掌をしたり、言わない」「念仏を称(とな)えない」「念珠を出さない」といったものも。信者を増やすためなら自らの信仰活動を我慢してまで偽装するという徹底ぶりだ。
「親鸞会内部では、ことあるごとに、『教えに逆らえば地獄に落ちる』といったたぐいの話をされる。そんな環境で献金を勧められるため、中には学生なのに年間100万円近い献金をしてしまっている人もいました。もともと親鸞は『教えに逆らえば地獄に落ちる』などと言っていないのですが……」(A氏)
そんな団体の布教使にNHK文化センターが講座を任せたことについて、「家族の会」代表幹事のB氏は不安を募らせる。
「親鸞会にしてみれば、公の機関からお墨付きを得たようなもの。たとえその講座の中で勧誘が行われなかったとしても、ほかの場所で『NHK文化センターでも講座を持っている素晴らしい団体だ』などとして、勧誘トークの材料にするでしょう。もともと親鸞会は、ダミーサークルが主催する講演会などに大学講師など招き、『さらに別の場所で○○先生も賛同してくれているサークルです』などと勧誘の材料にしています。NHK文化センターは、カルト問題への認識があまりに希薄です」(B氏)
NHK文化センターは、なぜこんな宗教団体の布教使を講師として採用したのか。
「うちで歎異抄の講座をやりたいということで講師を吟味し、ネットで『歎異抄をひらく』の情報を見つけて、(親鸞会関係者に)講師を依頼しました。先方から売り込みがあったわけではありません」(同社盛岡支社長)
NHK文化センターのウェブサイトには、「NHKの放送事業で培った豊富な文化情報と人脈を活かし、一流の講師による新鮮で魅力ある講座を多彩にラインナップして、皆さまのご期待に応えていきます」と書かれている。しかし実際には、放送事業の人脈とは関係なくネット検索で講師を選んでいたのである。前出のA氏もあきれるばかりだ。
「『歎異抄をひらく』をネットで見つけたのなら、同じように親鸞会についてもネット検索をすれば、いくらでも情報を得られたはず。講師は、はっきり親鸞会布教使を名乗っていたのだから。NHK文化センターは、その程度の事前調査もしていなかったんですかね」(A氏)
結局、NHK文化センターは、講座を中止する方針を決定。8月28日、盛岡教室で予定通り講座が開催されたが、受講者たちには、その日限りで講座が中止される旨が伝えられた。北上教室でも9月4日で中止される見込みだ。盛岡教室での「最後の講義」の後、教室を出てきた受講者に話を聞いた。【つづく】
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パブリック・ジャーナリスト 藤倉 善郎
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