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新型インフルエンザ:登録辞退の医療機関も 診察態勢拡大で試行錯誤 /秋田

 新型インフルエンザの感染拡大に伴い、県内では1日から、登録された身近な診療所など約350の医療機関で受診できるようになった。ただ、大病院と違い小さな医院などでは一般の患者と区別するのに限界がある。設備に応じて工夫したり、マスク着用を呼びかけるなど今後の感染拡大に備えているが、診療態勢の不安からすでに登録解除を申し出る医療機関も出るなど試行錯誤の段階だ。【百武信幸】

 ◇患者の事前連絡少なく

 秋田市の小児科医院。女性が「孫が39度の高熱を出した」と窓口に恐る恐る申し出ると職員が「では、こちらへ」と誘導。待合室に入らずにまっすぐ診療室横の別室に案内した。診療を終え、医師は「新型インフルではない」と診断。女性は「心配していたので、よかった」と胸をなでおろした。

 同医院には入口が一つしかないため、すぐ別室に行くことで、待合室の別の患者や家族に近づかないよう配慮している。今回は付き添いの女性が孫を車に待たせて受付に申し出たため問題はなかったが、患者と一緒に入ってくることも想定される。同医院では「高熱が出ている人や家族にはマスクを手渡している」という。

 患者側には受診前に事前に連絡することが求められているが、診察する医師は「新型インフルかどうかを患者さんが判断するのは難しく、感染の疑いがあっても事前連絡する人は少ないのが現状」と語る。秋の深まりとともに増えることが予想され「患者の増え具合にもよるが、一番大事なのは重症化する要素を持っているかどうか」と話す。

 ◇待合室もマスクで予防

 こうした状況に不安を感じ、医療機関が登録辞退や解除を申し出る例も。大曲・仙北医師会内の医療機関では開始直前の8月31日に辞退が2件あった。1件は誤って登録した眼科、もう1件は小規模な診療所が「入口を分けるといった対応ができない」と断ったという。また県によると、追加登録の申し出がある一方で、解除の声もあり「県全体で対応しようという発想なので、完ぺきな態勢は求めていない。一つでも多くの機関に登録してほしいのだが」と話す。

 保育園児の長男(4)が発熱したため小児科医院にきた秋田市の武田明美さん(34)は「まだ周囲に感染者はいないが、感染すれば家族も1週間ぐらい仕事ができなくなるのでいつかかるか心配。小学生の長女にもマスクを持たせている」と話し、待合室でもマスクを着用。同院の医師は「診療所でも院内感染には配慮しているが、患者さんには事前連絡や、感染の疑いがある場合はうつさないように、またうつされないためにマスク着用や手洗いを心がけてほしい」と呼びかけている。

毎日新聞 2009年9月4日 地方版

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