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新卒医師の臨床研修枠765人減 都市への集中是正策

2009年9月4日15時4分

 新卒医師の臨床研修制度における来年度の募集定員は、全国で1万683人(新規病院分を除く)で、今年度より765人減ることが4日、厚生労働省の中間集計でわかった。若手を地方へ誘導しようと、都市部の定員枠を抑制したためで、04年度の制度導入以来、初めて1万1千人を下回る見通しだ。

 同日午前、医道審議会の医師臨床研修部会で報告された。募集定員はこれまで、各病院の裁量に任されていたが、都市部への「医師偏在」を是正するため、来年度から都道府県別の定員枠を厳しく設定することになっている。

 研修医を募集する臨床研修病院は今年度より63少ない、1051病院。都道府県別の定員は、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の大都市がある6都府県の合計が4238人、それ以外の合計が6445人。

 施設別では、大学病院の定員数は4966人。定員全体に占める割合は47%で、制度導入時の57%から年々減っていた割合が初めて下げ止まった。

 都道府県別の定員枠が厳しく設定された背景には、医学部定員よりも研修先の定員が圧倒的に多い「売り手市場」が続き、「研修医の都市部への集中や大学病院離れを招き、地域医療崩壊の一因になっている」という指摘が地方や大学病院から上がっていたことがある。(権敬淑)

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