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議員会館「720室」栄光に幕 中川さん事務所明け渡し

2009年09月02日 13時52分

大野伴睦氏…父の一郎氏ら 大物が半世紀継承
 【東京】衆院選で落選した中川昭一さんの国会事務所が入居していた衆院第一議員会館7階の「720室」で2日、引っ越し作業が行われた。720室は元自民党副総裁の大野伴睦氏(故人)、父・一郎氏(同)と約半世紀にわたって受け継がれた由緒ある部屋で、ビル最上階の7階は時の有力者しか使えなかった。多くの十勝関係者の陳情の舞台となった部屋は空き室となり、新たな主の入居を待っている。

一郎氏の写真が見守る中、引っ越し作業が進められた中川昭一さんの国会事務所

 720室は1963年から64年まで大野氏が使用、船田中氏(故人、元自民党副総裁)をはさんで、中川一郎氏が65年から入居した。一郎氏の死後約1年間は上草義輝元衆院議員が使用していたが、昭一氏が83年に初当選すると父親と同じ部屋に入居した。鈴木宗男衆院議員(新党大地代表)、上草氏などは一郎氏の秘書時代にこの部屋に詰め、政界へと旅立った。

 期数や実力の度合いに応じて上層階の部屋に入居する慣習があった。67年から2年間、一郎氏の秘書を務めた伊賀光さん(元帯広市教育長)は「当選間もない一郎さんが720室に入居できたのは、後ろ盾だった大野さんの働き掛けがあったからだろう。隣は中曽根康弘さん(元首相)だったと記憶している」と振り返る。

 応接セットや秘書の執務スペースがあり、壁には一郎氏の写真が飾られていた。中川昭一さんは議員生活26年の間、閣僚や党役員など重要ポストを歴任した。事務所には管内首長や経済・農業関係者らが陳情などで訪れていた。

 今衆院選で政界を引退、落選した議員は2日までに退去する必要がある。事務所内に残された資料は膨大で、投開票翌日から事務所スタッフ総出で整理し、帯広や都内の個人事務所に移した。スタッフは「やはり悲しい」と口にしていた。

 伊賀さんは「部屋の明け渡しは歴史の一ページが閉ざされたような印象を受ける」と話している。
(池谷智仁)

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