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旧郵政公社、職員121人が20億円着服

9月3日3時18分配信 読売新聞

 2007年10月の民営化以前の日本郵政公社で、郵便局職員らが顧客の貯金や保険金を着服した総額は、05〜07年度上半期の2年半で20億円以上に達し、うち10億円余りは返還されていないことが読売新聞の調べでわかった。

 着服された金は公社が一時立て替え、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」がそれぞれ債権として引き継いでいるが、民営化から間もなく2年となる現在も、返済は大きく進んでいない状態だ。

 日本郵政会社などが、調査可能な05年度までさかのぼり、部内者による着服金額を算出した。それによると、05年度が10億8858万円(51人)、06年度が7億3264万円(52人)、07年度上半期が2億6508万円(18人)で、総額は計約20億8600万円に上った。このうち未返済額は計約10億4000万円で、債権額は、ゆうちょ銀行が約8億円、かんぽ生命保険が約2億4000万円となっている。

 被害額が最も大きかったのは、大阪府和泉市の特定局「伯太西郵便局」の元局長が06年4月から6月にかけ、現金自動預け払い機への補充用として金庫に保管していた金を着服した事件で、総額は計2億508万円だった。日本郵政公社大阪監査室が業務上横領容疑で元局長を逮捕したが、被害額のうち8883万円が未返済のままだ。

 公社は発覚時に退職していた9人を除き、着服にかかわった職員計112人をすべて懲戒免職処分にしている。

 日本郵政会社は「金額が大きく、即座に返済とはいかないが、請求は地道に続けていく。過去の不祥事の原因を分析し、再発防止に努めている」としている。

最終更新:9月3日3時18分

読売新聞

 

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