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【政治】自民の派閥 崩壊寸前 総裁選へ不要論続出2009年9月4日 朝刊 自民党の町村、津島、山崎、麻生の四派閥は三日、都内で衆院選後初の総会などを相次いで開いた。出席者に落選組も少なくなく、派閥の液状化を浮き彫りにした。各派は結束を確認したが、派閥の存在が「古い政治」との印象を与え、衆院選惨敗の一因になったとの見方も強い。党内には解消論も台頭し始めている。 (原田悟) 麻生太郎首相(自民党総裁)が率いる麻生派は、ナンバー2の座長を務める中馬弘毅元行革担当相らが落選し、所属議員が二十一人から十二人へと半減。首相は総会で「仲間を失い、おわび申し上げたい」と陳謝しつつ「団結を強め、今後の運営は私に一任してほしい」と派閥継続への意欲を示した。 自民党の派閥は、衆院選で小選挙区制導入後、候補者選定が党本部主導になったことで、影響力が徐々に低下。小泉純一郎首相当時は派閥からの入閣候補の推薦を拒否され、往年の派閥パワーは影を潜めていた。 それでも、幹部クラスが所属議員に資金を供与したり、政策を勉強する議員活動の拠点として存続。総裁選では「数の力」で存在感を誇示してきたが、今回の衆院選惨敗で派閥の存立を揺るがしかねない状況にまで追い込まれつつある。 衆院選翌日の八月三十一日、古賀派の菅義偉選対副委員長は「派閥はいらない。解消すべきだ」と主張。最大派閥の町村派を含む若手十数人が二日夜、都内で開いた会合でも「派閥は存在理由を失っている」と不要論が続出した。 解消論が高まる背景には、次期総裁選が派閥主導で進めば「国民の理解が得られない」(菅氏)との危機感がある。野党に転落し、所属議員の激減で崩壊寸前の派閥もある中で、総裁選びでなお従来の枠組みにこだわる印象を与えては「まだそんなことをやっているのかと思われる」(党関係者)可能性は高い。 ポスト麻生候補に名前が挙がる石破茂農相は三日の津島派総会後、派閥の対応を問う記者団に「党として、どうするんだという(ことを考える)時期だ」と不快感を隠さなかった。総裁選に向け、自民党がどれだけ「脱派閥」の姿を見せられるかが党再生の第一歩になるのは間違いない。
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