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【埼玉】

止まらぬ受給者増 生活保護 失職者急増 裏付け

2009年9月4日

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 生活保護の受給者数の前年比の増加率が四月から六月まで三カ月連続で一割を超え、増加のスピードが加速し続けている実態が、県のまとめで分かった。これまでは月間七百〜八百件程度だった保護の申請件数は、今年に入って六カ月連続で千件を突破。派遣切りなどで失職したまま生活保護を受け始める人が増え続けていることが、背景にあるとみられる。

 政令指定都市であるさいたま市を含めた県内の受給者数は、最新データの六月は六万二千七百六十人。受給世帯数は四万四千百九で、いずれも前年同月比で約13%増えていた。前年同月比の増加率が10%を超えたのは、四月から三カ月連続。人口千人に対する受給者数を示す保護率は8・8%で、受給者数や受給世帯数と合わせて六月はいずれも過去最高を記録した。

 生活保護を受けている人の内訳は六月で高齢世帯が41・5%、母子世帯が8・5%。統計上「その他」に分類される受給世帯の多くは、仕事があれば働ける六十五歳未満の人たちとされ、六月は15・2%で、世帯数は六千六百七十九だった。これは昨年六月と比べ二千二百六十一世帯も増えており、失職して収入を失った人が月を追うごとに急増している状況を裏付けた。

 前年と比べた増加率が一割を超えたのは、一九九九年から二〇〇三年に記録があるが、その後は鈍化。県は市町村に対して、生活保護申請を窓口で規制しないよう求めており、今後も増加の速度が速まる可能性がある。

 一方、政権を獲得する民主党は今回の総選挙のマニフェストで、雇用保険と生活保護の間に「第二のセーフティーネット」を設けると明記。具体的には、失業給付の切れた人や雇用保険の対象外である非正規労働者などを対象に、職業能力訓練を受けた日数に応じて「能力開発手当」を支給する、としている。

 

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