【コラム】韓国にはびこる責任逃れの言い回し(上)
この「カッタヨ」という表現は、好意的に解釈すると自分をやや低めて相手に対する配慮を示しつつ、その場の対話での潤滑油的な役割を果たすものだ。しかし政治的対立や陣営作りの影響で激しく分裂する韓国社会では、この表現はこれまでとは違った効果を持ち始めている。
あるお笑い芸人が数日前、4大河川の広報に登場した際に発言したある内容がインターネット上で激しい非難を受けた。最終的に「知らずに語ったこと」として謝罪し、何とかバッシングから逃れることができた。すると今度は別のところから非難を受けるようになった。そのため、このお笑い芸人は「誤解があったようです。賛成したわけではなく、だからといって反対したわけでもありません。これはコメディーであり…」などとあいまいな弁解を行った。同氏はこの「ようです」時代の対立の構図の中で、生き残るための手段として、このようにあいまいで便利な「ようです」という表現を最終的に選んだのかもしれない。今や「有名人に対するネット攻撃がいつ起こるか分からない」というプレッシャーにだれもがさらされている。このような状況では、かつてある芸能人が語ったように、「一人を集中攻撃する反イ・ミョンバク主義者たち」がねらう、その「一人」に自分がならないためには、「そのようでもあり、そうでないようでもある」という言い回しが、非常に効果的だと考えられるようになったのだ。
しかしもっと大きな問題をはらんでいるのが、これとはまた別の「ようです」だ。これは主にある一方の陣営に属するしかない人物が愛用する「攻撃的表現」だ。ある市民団体の代表は最近行われたインタビューで、「イ・ミョンバク政権が発足してから、前政権では何の問題もなかった団体の仕事がうまく進まなくなった。おそらく自分も“排除すべき対象”に分類されたようだ」と発言した。その後も同じような内容を繰り返す中で、「イ・ミョンバク政権はバカ」とも発言したが、イ・ミョンバク政権がどの事業をどのような理由で支援しないことにしたのか、またそれが「排除すべき対象」や「バカ」などといかなる関係があるのかについては明言しなかった。
エンターテインメント部=パク・ウンジュ部長
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