2009年9月4日7時32分
病院勤務医の9%が、心身に疲れの兆候がみられ、医学的にメンタルヘルスの支援が必要な状態にある、という調査結果を2日、日本医師会が公表した。背景に、休日返上の長時間勤務など、勤務医の厳しい労働環境がある。
調査は、同会の勤務医の会員約8万人のうち、1万人(男性8千人、女性2千人)を対象に郵送で実施。3879人から回答を得た。
寝つきの悪さや、食欲の有無、集中力の低下など、精神的な疲れをみる16項目の回答を点数化した。その結果、9%が中程度以上の深刻な状態にあり、メンタルヘルスの支援が必要だと判定された。5%は1週間に何回も数分以上、自殺や死について考えていた。1%は「具体的な計画を立てたり、実際に死のうとしたりした」という。
1カ月の休日は4日以下が46%。8日以上は男性が18%、女性で32%。病院の規模が大きいほど、睡眠時間が短く、休日も少ない傾向だった。
53%は、自分の体調不良を「他人に相談しない」と答えた。理由として、「自分で対応できる」という自信や、「同僚に知られたくない」「自分が弱いと思われそう」と、孤立しがちな状況もうかがわせた。(権敬淑)