トルコとアルメニア、国交樹立へ 「虐殺」和解 両国に思惑
9月2日7時56分配信 産経新聞
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トルコとアルメニア(写真:産経新聞) |
同通信によると、両国はそれぞれ「6週間以内に国内の政治的な協議」を終えて合意調印を実現し、議会での批准作業に入る。合意発効から2カ月以内に、トルコは1993年から封鎖しているアルメニアとの国境を開く。また、フランス通信(AFP)によると、合意文書は、アルメニア人虐殺問題を念頭に、「両国が対立する歴史的側面」を検証する合同委員会の設置を呼び掛けている。
トルコのギュル大統領が昨年9月、サッカー観戦のためにアルメニアを初訪問し、両国の和解機運が高まった。今年4月には関係正常化に向けた「行程表」で合意し、サルキシャン大統領は10月14日、トルコを訪れ、サッカーの2010年ワールドカップ出場をかけた両国代表チームの試合を観戦する予定だ。
アルメニア人虐殺問題をめぐり、トルコ国内では、アルメニアが「虐殺」の主張を取り下げるまで関係を正常化すべきではないとの声は根強い。また、アルメニアがトルコ系のアゼルバイジャン領内のキリスト教住民を支援したナゴルノ・カラバフ紛争(現在停戦中)もあり、これらの問題をどう解決するのか、不透明さは残されている。
トルコが支援してきたアゼルバイジャンは1日、「ナゴルノ・カラバフ問題が解決するまでトルコはアルメニアとの国境を開くべきでない」と反発した。しかし、トルコは昨年8月、トルコとロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジアからなる地域的な危機管理機構「カフカス安定・協力プラットホーム」創設をロシアに提案、多国間の枠組みの主導権を握り、地域での発言力を強めようとの姿勢を打ち出している。
また、トルコとアゼルバイジャンに挟まれたアルメニアにとって外に向けた主な通商窓口はグルジアだったが、昨年夏にはグルジアでもロシアとの紛争が再燃。トルコと和解し、国境封鎖を解くことが現実的な必要性として浮上してきたとも指摘されている。
■アルメニア人虐殺問題 オスマン帝国末期の1915年、同帝国軍がアルメニア人を虐殺したとされる問題。アルメニア側は150万人が殺されたと主張。トルコは帝政ロシアの侵略を助けて反乱を起こしたアルメニア人を鎮圧する戦闘で双方に30−50万人の犠牲者が出たとし、虐殺を否定している。
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最終更新:9月2日9時4分
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