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GPS、精度低下の恐れ 来年以降、米の衛星更新遅れ(2/2ページ)

2009年8月24日15時6分

写真:GPS衛星を載せたロケット=米空軍提供GPS衛星を載せたロケット=米空軍提供

図:GPSシステムの概念図拡大GPSシステムの概念図

グラフ:  拡大  

 カーナビでは、車の位置が地図上で止まったままになるなど不正確な表示をしたり、目的地までの所要時間の計算を誤ったりする可能性がある。米国のカーナビメーカーの技術者も「影響が出る可能性があり、対応を検討している」と話した。現在も使われている車速センサーなどによる補正技術を向上させたり、欧州が構築中の同様のシステム「ガリレオ」の電波を受信する機能を付け加えて補ったりする対策が考えられている。

 GPSは、爆弾の誘導など軍用として本来開発されたが、航空機の航行システムなどだけでなく、地図作製のための測量、地震や火山活動の予測に役立つ地殻変動観測にも欠かせない社会インフラになっている。

 ただ、現状で利用できる地球規模の測位システムは、米国のGPSだけ。欧州のガリレオも予算不足などから計画は遅れており、日本も衛星3基でGPSを補う「準天頂衛星」の1基目を来年度に打ち上げる予定だが、GPSの精度向上が目的にすぎない。

 GAOは米議会の関連機関で、日本の会計検査院に近い組織。行政機関の実績や効率などに関する調査を行い、議会に報告している。

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