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Commons:2009.9.2 from田中良紹

世界が笑う

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 日本の「政権交代」は世界の関心を集めたらしく、欧米では新聞が一面トップで伝えていた。何しろ議会制民主主義でありながら、国民が一度も政権交代を選択しない不思議な国だと思われてきたから、やっと日本も世界と同じ土俵に登って来たかと、半信半疑かつ興味を持って見ているのだと思う。ところが日本の「政権交代」は初めから世界から笑われる展開である。

 通常、国民の審判が下ったその日から前政権が掲げてきた方針は停止する筈である。前政権の方針を主権者である国民が拒否したのだから、そうならなければおかしい。前政権は自分たちの方針を新政権の方針に切り替えるのに齟齬がないよう新政権に協力する。それが国家国民のために政治家や行政官になった人間の最低の努めである。「私」を封じて「公」に殉ずる。国益を守るとはそういうことである。

 ところが昨日からの動きを見ていると日本の政治家や官僚はそうではない。その不思議さを世界はどう見ているのだろうか。例えば消費者庁が前政権の方針のまま9月1日からスタートした。一体何を考えているのか、民主主義国家の有り様に逆らう話である。国土交通大臣のごときは、民主党がマニフェストで建設中止の方針を掲げた八ツ場ダムについて「再考して欲しい」と注文を付けた。全く選挙の意味を理解していない。

 そしてもっとみっともないのが自民党だ。選挙惨敗の責任を取って辞意を表明している麻生氏を特別国会で総理候補に担ぐと言う。総裁選挙が間に合わないというのが理由だが、間に合うか間に合わないかは「私」の事情である。「公」を重んじるなら間に合わせるようにすれば良い。それが出来ないなら、議会制民主主義の政党足り得ない非力さを謝罪して解散すれば良いだけの話である。

 辞意を表明している人物を国会の首班指名選挙に担ぎ上げ、それに党員が投票させられる政党など先進民主主義国のどこにあるだろうか。おそろしく馬鹿馬鹿しい話である。選挙後に国民が注目しているのは、民主党の官僚操縦力と自民党の再生力だが、これでは自民党に再生の力が全く残っていない事になる。どこからこんな判断の誤りが生まれてくるのだろうか。

 思えば2年前の参議院選挙惨敗後、責任を取って辞任しなければばらない安倍総理が続投を宣言した。続投を進言したのは麻生氏だと言われている。民主主義の仕組みを考えればやってはならないことを自民党はやり、その判断の誤りが自民党を奈落の底に突き落とした。それと同じ誤りを再び繰り返そうとしている。特別国会で麻生氏を総理に担ごうとする自民党を世界はどう評価するだろうか。7月のG8サミットではアメリカからもロシアからも遠ざけられた麻生氏である。それを自民党は本当に担ぐのか。

 今回の選挙は自民党にとって再生のチャンスになりうると私は思っていた。夏の暑い時期の長い選挙は年寄りにこたえる。この選挙によって自民党の実力者が落選し、世代交代が加速されれば、戦後の日本が公職追放で世代交代が可能になり、若い力で復興されたように、自民党もしがらみを断ち切った再生が可能になると思っていた。しかしまだ自民党若手の中から自民党を駄目にした戦犯追放の声が聞こえてこない。

 自民党の再生は、官僚機構とのしがらみを断ち切り、官僚主導政治からの脱却を民主党と協力してやるところから始まる。与野党が協力し、政党が官僚を使いこなす統治の仕組みさえ出来れば、後は与野党が政策を競わせる事で「政権交代」を繰り返す時代が来る。そして自民党の政権復帰が可能になる。そうした長期戦略を描かないと自民党の再生はないと私は考えている。自民党がいつまでも官僚機構の手先のままだと、民主党の長期政権が固定化し、世界から日本は不思議な国だとまた笑われてしまう事になる。






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THE JOURNAL

田中良紹
田中良紹
(ジャーナリスト)

1945年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同年(株)東京放送(TBS)入社。 ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。 1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。「国会探検」のほかの記事を見る



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