刑事事件にまで発展した“渋谷ゲリラライブ事件”から10年。歌手・郷ひろみ(53)が2日、今度は大阪・道頓堀のグリコ前に突如、船で現れ、ゲリラライブを敢行。阪神タイガースファンのVダイブの聖地?として知られる、えびす橋周辺はのべ2000人の見物客であふれた。しかし今回は事前に警察などから許可を得ている“合法”ライブで、周辺は警備員100人が厳重に警戒。無事にイベントを終えた郷は「年を重ねてもサプライズなことを大事にしたいね」とご機嫌だった。
◇ ◇
あの“大事件”にも、郷はめげていなかった。この日は、渋谷ゲリラライブを機に大ヒットした「GOLDFINGER’99」の発売10周年を記念したシングル「Get Real Love〜GOLDFINGER,009」の発売日。今度は大阪の街が大騒ぎに…。ただし、今回はイベント会社を通じ、1カ月半前から管轄の大阪府南警察署や大阪市建設局と打ち合わせ。ちゃんと「GO」サインをもらってのゲリライブだった。
午後5時41分。道頓堀川をゆっくりと走行する観光船の船底から真っ赤なシャツの郷が飛び出すと、見物客や通行人から大歓声。新曲のサビの部分は「♪ゲリラ!ゲリラ!」と聞こえ、歌い始めると向かいのビルで工事中の作業員まで携帯電話で慌ただしく写真を撮り出した。
自身初という船上ライブ(約4分間)を終え、「サンキュー!!」と“観衆”に投げキッスまで披露した郷。ところが、船で去り際に手を振ることに熱中しすぎ、橋の欄干に頭をぶつけそうになるハプニングもあり「残念だったね、あそこで川に落ちてたら名誉の負傷だったよ」と大笑い。
郷によると、1971年、15歳の郷のために500人のファンが最初のファンクラブを作ったのが大阪。「ぼくは大阪から育ったようなもの」と感謝する。38年ぶりの“恩返し”にもなったゲリラライブについて「不特定多数の人が『何だろう?』って足を止めてくれる、こういう空気感は好き。年齢(とし)を重ねてもサプライズやエキサイティングなことを大事にしていきたい」と語り、永遠の“アチチ”男を宣言?していた。