裁判を傍聴して会見する元露鵬＝東京・霞が関
大麻陽性反応を示して日本相撲協会から昨年９月に解雇されたロシア出身の元露鵬（２９）と元白露山（２７）の兄弟が、力士としての地位保全を求めた訴訟で３１日、東京地裁で証人尋問が行われた。
協会側から検査に立ち会った再発防止検討委員会（当時）の伊勢ノ海委員長（元関脇藤ノ川）、友綱親方（元関脇魁輝）ら３人が出廷。原告側から大嶽親方（元関脇貴闘力）が証人として出廷したが、協会の理事らと証言が大きく食い違う異例の展開となった。
大嶽親方は「伊勢ノ海さんが『クビにしないから』と言うので２人に尿を出せと言った。直後に警察を呼ばれ、はめられたと思った」と発言。これに対し、伊勢ノ海親方は「ニュアンスは微妙だが、大丈夫じゃないかと答えただけ」と述べた。大嶽親方は「協会と対立したつもりはない」としたが、友綱理事は「同じ組織にいてああいうことを言うのは、非常に遺憾に思う」と批判した。
傍聴した元露鵬は「大嶽親方は正直に全部話したけど、他の親方は平気で半分以上もうそを言っていた。裁判所でうそをついたらいけない。本当のことを言ってほしい」と主張した。