鳩山代表、小沢代行を幹事長に起用

民主党の鳩山代表の幹事長就任要請を受諾し、記者の質問に答える小沢代表代行

　次期首相への就任が確実になった民主党の鳩山由紀夫代表は３日夜、選挙担当として衆院選を圧勝に導いた小沢一郎代表代行の功績を評価し、幹事長に起用することを決めた。党本部で要請し、小沢氏は受諾した。鳩山氏は、小沢氏を名実ともに選挙指揮を含む党運営の司令塔役に就けることで、１０月２５日の静岡、神奈川両参院補選と来年の参院選勝利を目指す。

　小沢氏は受諾の理由について、記者団に「党人なので代表の要請をお受けする」と述べた。鳩山氏は岡田克也幹事長を重要閣僚に起用する考えを表明。菅直人代表代行についても同様に処遇する見通しだ。

　ただ民主党内では、実力者である小沢氏の幹事長就任で、さらに影響力が拡大することに懸念の声も出てきそうだ。小沢氏が与党側で重みを増せば、政策決定を政府側に一元化するとしてきた民主党の構想が変化しかねない。

　また、小沢氏は西松建設巨額献金事件で公設秘書が起訴され党代表を辞任した経緯があり、秘書の裁判が続く中、政治とカネの問題があらためて問われる可能性もある。

　鳩山氏は衆院選直後の８月３１日朝、報道各社のインタビューで、小沢氏、菅直人代表代行、岡田克也幹事長に関し「中心的な役割をこれからも果たしていただきたい」と述べ、党執行部や閣僚として処遇したい考えを表明。これに対し小沢氏は「鳩山代表の指示に従う」と述べていた。

　小沢氏は１９９３年に自民党を離党。２００３年の民主、自由両党合併で民主党入り。０６年から３年間代表を務めた後、０９年５月、西松事件をめぐる党内混乱の責任を取り代表を辞任。鳩山代表の下、選挙担当の代表代行を務めていた。

（2009年9月4日00時21分スポーツ報知）

（）