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アサリ産地偽装:相次ぐ、県が対策強化 /熊本

9月3日16時1分配信 毎日新聞

 熊本市の水産卸会社「川上海商」社長の川上鉄弥容疑者(71)らが2日、不正競争防止法違反容疑で再逮捕された。相次ぐアサリの産地偽装を受けて、国や県は対策を強化している。
 県内のアサリ水揚げ高は、ピークの70年代後半に6万5000トンに達したが、95年には1000トンに落ち込んだ。現在は3000トンに回復してきたものの、中国や韓国からの輸入に頼る状況は変わっていない。
 アサリの生態に詳しい県立大の堤裕昭教授は「70年代後半からコンクリートの材料にするため川底の砂が採取され、干潟の砂も減少したためだ」と原因を分析する。堆積(たいせき)している砂が少なく、育ちづらい環境になったという。
 アサリの産地偽装を巡っては国が「最も長く育てていた場所を産地と表示する」と指針を示しているが、輸入して数日〜数週間畜養場に置いただけで「国産」と表示する業者が後を絶たない。
 県は、把握しているアサリ卸会社十数社のうち、05年以降6業者にJAS法違反に基づく文書指導や改善指示をした。川上海商もこのうちの一つで、県の担当者は「まじめな業者もいるのに、同じようなことが繰り返されたことは残念だ」と話す。
 農水省はJAS法を改正し、5月から改善命令を無視した場合は即座に処罰できる「直罰規定」を盛り込んだ。県は7月から業者を回って改正内容を説明したり、産地の根拠を示す資料をそろえるように求めたりして注意を呼びかけている。
 堤教授は「需要を満たすためには輸入はやむを得ない。問題は偽装表示であり、業界全体が変わらなくてはいけない」と指摘する。【遠山和宏】

9月3日朝刊

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最終更新:9月3日16時1分

毎日新聞

 

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2009年9月3日 17時00分発表

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