全国3件目の裁判員裁判で使用された、地裁内の別室で意見陳述する被害者の映像が中継される小型モニター=青森地裁第1号法廷 被害女性「この苦しみ裁判員に」 性犯罪、男に懲役15年求刑性犯罪を初めて審理する全国3件目の裁判員裁判の第2回公判で、青森地裁(小川賢司裁判長)は3日午後、強盗強姦事件の被害女性2人が別室から意見陳述する「ビデオリンク方式」を実施、1人が「この苦しみを犯人や裁判官、裁判員にどうしても伝えたかった。どうか厳しい処罰をお願いします」と声を詰まらせながら訴えた。 裁判員裁判で同方式は初。裁判員は被害女性が映った手元のモニターを見ながら涙声の陳述に耳を傾けた。この後、検察側が無職田嶋靖広被告(22)に懲役15年を求刑して結審。4日午後に判決が言い渡される。 ビデオリンクは地裁別室から映像と音声を法廷に中継。傍聴人には音声のみ伝わり、裁判員らの手元のモニターだけに顔が映る。 2人のうち最初の女性が「裁判員制度で報道されてつらいが、苦しみを伝えたかった」と訴えると、涙をぬぐう男性裁判員も。 もう1人も「女性として一番ひどいことをされた。今日は来ようか迷ったが、勇気を出した」と声を震わせた。 検察側は論告で「女性の人格を無視した卑劣な行為」と指摘。弁護側は「「反省しており、懲役5年が相当」と情状酌量を求めた。被告は最後に「直接、被害者の声を聞いて自分がしたことの重さを実感した」と述べた。 【共同通信】
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