本紙はこれまで東京都品川区の美容整形外科・伊藤クリニック(九九年、白金クリニックに改名、昨年八月休業、伊藤雄康院長)の脱税疑惑や医療過誤疑惑、その杜撰な医療システム、さらに目に余る金権体質を指摘してきた。
その中で、総じて、美容整形外科の業界は手術後の成果が患者の主観によりクレームを受けやすいことから、クリニック同士が互いにかばい合う体質を持つことも指摘してきた。
よそのクリニックの失敗を患者が訴えてきても、当該のクリニックは高額の再手術を施すだけで、裁判などの公の場で、その医療過誤を証言することはまずない。
そんなことをすれば足下をすくわれかねないからだが、多くの場合、患者が高額の手術料を支払わされた挙げ句、泣き寝入りの状況となっている。
「美しくなりたい」―。そんな弱みにつけ込まれ、こうすればもっと美しくなれると高額の美容整形を言葉巧みに勧められ、挙げ句数百万円の手術料をせしめられるのが実態のようだ。
東北地方のA子さんもその一人。さる病院で二重まぶたの手術を受けたものの、‥
執刀医は国立大学教授でアルバイト
伊藤クリニックでの執刀医はさる国立大学の教授で、アルバイトだったが、A子さんはその肩書を信用した。しかし、手術方法を決定したのは伊藤院長と聞いて、一度も診察をしたことのない院長がなぜ?との疑念は高まるばかりだった。
鉛が入っているような違和感を感じ、瞬きも窮屈な感じがする。一日に一千回も目頭付近をマッサージしないと気が済まない。そんな毎日が続く。
これまで四回、‥