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ゲリラ雷雨とパソコン障害
昨日は朝からダッシュで書類を片付けたお陰で早めに帰宅できた。
日曜日にサッカー少年団の大事な戦いを控えた三男を連れ、丹生川エアパークの芝グラウンドに行き、夕暮れの時間を子供とサッカー練習に費やす。
僕はサッカー素人で系統的なサッカー練習方法を全く知らない。だからという訳でもないが、何故か最後はスライディングタックルの練習とか、オーバーヘッドキックの練習とか、ただ目立つ為の大技をかけあって遊んだりしていた。
その後夜中に起こされる事無く、きちんと朝まで眠れた。今日も病棟と外来は比較的落ち着いてくれている。昼寝もできたし、午後には頼まれた仕事の原稿書きもできる。こんな事で良いのかと、後のしわ寄せが心配になるような余裕たっぷりの一日だ。
そんなこんなで余裕があったので、今日は午後からの時間を主に外来控え室のPC前で過ごした。
PCをぱちぱち叩いていると、おもむろに外が暗くなり突然大雨と雷が鳴り出した。
どうやらいわゆるゲリラ雷雨の様だ。とはいえそれほど大きな雷雨にはならず、2,3発大きな雷を落すとそうこうする内に雷雨は去っていった。しかしその後に一瞬の停電があったらしく、少しの間PCの調子が悪くなる。
先ほど無事にリカバリできたが、少々冷や汗をかいた。今や僕のPCには貴重な写真や各種データが山ほど詰まっている。このHP関係のものも多い。PC自体は安物なのだが、中味が重要だ。ここでPCに逝かれてしまったら泣くに泣けない状況となるだろう。
今年は冷夏で、それほど多くのゲリラ雷雨は無かったのだが、これから先ゲリラ雷雨のよるPC傷害には大いに気をつけなければならないと思った。
さてもうしばらく前から病院機能は停電になると、悉く機能停止になる状況となった(当然自家発電設備はありますが・・)。それはPC端末においてより深刻だと言える。
日本の都市部では停電なんてもう滅多に無い状況になっていると思う。しかし高山はまだその辺の送電インフラが遅れている(多分、この辺は☆さんがプロです)のだ。
雷雨や台風の時など毎年数回は短い停電があると思う。その度に病院のPCインフラ担当の方は冷や汗かいて復旧にあたらないといけない。ご苦労様な事だ。
今や医療の記録も、PC内のメモリに収められる時代になった。紙媒体やフィルムによる記録は、どんどんと無くなりつつある。それはすなわちPCがいかれてしまうと、医療がニッチもサッチも行かない状況になったと言えるだろう。ゲリラ雷雨によるPC障害と言うのは、今や日本国民全体の生活を脅かす脅威の一つの様に思えるが、果たしてそれは考えすぎだろうか? |
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無料なのにまだもらえるの?
昨夜は平和な夜で、特別な連絡も無く夜から朝まで眠れた。寝不足感は全く無く、業務もさくさく進んでいる。さて水曜日は書類と検診業務その他雑用をまとめて行う様にしている日だ。
書類は多岐に渡っていて、入院指示書から、事務に提出する各種書類、生命保険、生活保護、妊娠証明、出産証明、要再検査者の精密検査報告など様々である。その他に他医療機関への紹介状及び紹介状の返事もかなりの枚数ある。
その他に入院患者さんのサマリーをPCに打ち込んで、その中味を手書きするというのもある。一週間分をまとめて一日でこなすから、あわせるとかなりの枚数だ。
ゆっくりやっているとあっと言う間に時間が経ってしまう。多少字が乱雑でもいいから、短時間に多数の数をこなさないといけない。ちょっとサボって一週間分でも貯めてしまうと後のしわ寄せが大変だ。
それらの書類と格闘しながら同時に合わせて約50人の人間ドック患者さんと集団検診患者さんの診察もある。
婦人科医の人数は少ない、集団検診でひっかけるのも自分だし、その精密検査を行うのも自分だ。更にその後の手術、治療まで行い最終的にはターミナルまで見る。自分で言うのもなんだが、ご苦労様な仕事だと思う。
さて話は変わり、一時なりを潜めていた変てこな書類がまた増えてきている。
一日だけの外来受診で生命保険の通院証明を書くというのがあるが、こんな申請を皆できるとなったら、医師は他の仕事ができなくなる。
普通分娩において、入院から分娩に至るまで一日分の生命保険入院証明を書くというのもあったが、こんなのは江川のドラフト空白の一日(説明は省略)みたいで、やはりおかしいだろう。
一回の妊婦検診のみで生活保護申請というのもあったが、これも無いよねーと思う。だいたい今や分娩や妊婦検診は実質自己負担無しの時代なのだ。
これらの証明書類は皆、客観的に考えればおかしいものばかりだ。しかし事務方さんは窓口で受け付けて、それを右から左に流す。これはおかしいと僕が拒否しても、患者さんからどうしても書いてくれと言われて戻ってくる事が多い。
僕もいちいち患者さんに説明するより、目の前にある書類を一枚一分で仕上げたほうが早いとなる。
こういうのはいわゆる典型的な、社会の無理と無駄だと言えるだろう。そんなことではいかんと思うが、自分が言わなくても別の誰かが、何処かでおかしいと言ってくれると思ってしまう。
僕もついつい忙しさにかまけて、自分の目の前の出来事がスムーズに進んでくれればそれでOKとしてしまう事が多い。本当はもっと頑固に筋を通す親父にならないといけないとも思うが、それでは世間が上手く回らないのだろうか? |
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僕は官僚にならなくて良かったと思います
昨日は夕方に外科先生との手術があった。とある理由で思っていたよりタフな手術となり、またまた途中撤退気味の手術となった。だからと言って特別問題ある訳では無かったのだが、エベレストでの3ヶ月間のブランクで手術が少し下手になったのではないかと思えるのが気になる。
手術手技と言うのも手先の器用さとか、視力とか、体力とか様々な事が関係する技だ。だいたい多くのベテラン外科系ドクターは加齢による衰えを経験でカバーする。しかし僕の場合、エベレストの様な道楽をしているとそんなカッコよい事は言えないとなる。ちと気を引きしてめてかからんといかんと思う。
その後は深夜未明から、早朝にかけて2件の分娩が入った。早朝の分娩は早起き出動を要する。
ただ早く寝付いていたので、それほどの寝不足感は無い。今日は一日中外来の火曜日でジワリと疲れは感じているが、もう少しだと思うと頑張れるだろう。
さて選挙と芸能ネタに並んで、今身近な話題はやはり新型インフルエンザだと僕は思う。
何でもワクチンの製造が今月中の流行期にとても間に合わないと言う。理由はウィルスの増殖能力が弱いため、有精卵でのワクチン製造に時間がかかるかららしい。足りない分は輸入で賄うという事だが、ワクチン接種とは昔から副作用が日本では大いに問題となる。果たして結果どうなるのであろうか?
日本のワクチン行政は世界で一番遅れていると言われているが、それは日本では副作用があまりに問題視されるため、行政がどうしてもワクチン接種に逃げ腰になるからだろう。
婦人科分野では、子宮頸がん予防のパピローマウィルスワクチン接種が何時までも認可されないのだが、それは世界の流れにあまりに遅れているという事で問題視されている。
そんなこんなで今回の新型インフルエンザワクチン接種も後手後手になり、結果手遅れで禄でも無い結果になる気はする。
しかしその一方、僕はどうしてもワクチン行政で、霞ヶ関を批判する気にならない。
それはマスコミのワクチンの取り上げ方の偏向性が今まであまりに酷かったからだ。何時もワクチンのニュースと言えば薬害関係ばかりだから、行政もやる気を無くす事は当然だろう。
それに厚生省にはあまりに仕事が多すぎる。
年金問題で散々叩かれて、その上ワクチンを何とかせいと言われて、厚生官僚も大変だろう。その上また大臣の顔も変わるし、新内閣は更に行政の人件費を省くと言う。自分の首を心配しながら、年金の抜本改革とかワクチン対策とかしないといけない。叩かれるばかりで散々難しい仕事させられる厚生省役人は、本当に気の毒だと僕は思う。
僕の友人でも何人か官僚への道を歩んだ方が数名いるが(今はどうなってるか??ですが)、他人事ながらどうしてるだろうかと心配に思ってしまったりする。 |
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やっぱり選挙結果は気になります
代務の先生は日曜昼に帰宅してしまった。とはいえその後日曜午後から深夜にかけて救急呼び出しや分娩は無い。
と言う事は日曜日に遠く?の山に出動してても大丈夫だったという事にはなる。普段は引継ぎが上手く行かずにできた少しの空白時間に、分娩が入ったりする事が多いのに、昨日は逆の結果になった。
何だか勿体無い気はする。しかしこれはあくまでも結果論だから仕方が無い。いつどんな分娩があるかは、たとえ何十年のベテラン産科医でも原則予測不可能である。まあ日曜深夜に分娩無くぐっすり眠れたのは、良かった。
今日は予約診察の月曜日。もちろん予約のみでも忙しいのには変わらない。
外来の最中にやや大変な分娩が入り、処置に時間がかかった。多くの予約の患者さんが待たされる。しかしこれも仕方が無いことだ。
さて選挙の方は予想通りに、民主党圧勝になった。3分の2以上の議席を確保したのだから、公約は全て実現されるのが原則だろう。そうでないと当選のためには、選挙の時に嘘でたらめを並べてOKという事になってしまう。
まずは次の総選挙では国会議員定数を80人削減するという公約を通し、やる気を示して貰いたいものだと思う。
さてさて民主党の政策を一言で言えば、不安なばら撒き政策だと言われている。産婦人科小児科部門に限って言うとまるで国からどんどんお金が舞って入るというイメージだ。
喩えは良くないかもしれないが、産科部門と言うのは、数年前のある時期からいきなりお金がどんどん入ってくる様になった。
理由は少子化対策と産婦人科医師不足対策の両方にあると思う。高山市の場合、妊婦健診、妊娠初期感染症検査、及び中期後期の貧血検査など皆全額公費から出る。
更に出産育児一時金の増額と産婦人科医院への直接支給も決まったから、分娩にかかる費用も実質全額無料だ。つまり妊娠出産にかかる費用は今現在で既に実質無料なのだ。
どうせ無料だと思うと、贅沢に使ってしまうのが人間の性だ。
昔は人によりきめ細かく分けていた感染症検査の項目も、今では無条件に全員検査する様になった。下手に誰かの検査項目を減らしたら、減らされた人が損をするという感じになるからだ。
また新生児医療も全額公費となると、所謂安い医薬品や医療はほとんど普及しない。どうせ無料なら、安いジェネリックより高いブランド医薬品を使いたくなるのは当然だろう。
そう考えると、ある意味僕のエベレスト登山も、産婦人科医優遇に胡坐をかいたと言われるかもしれない。そう思うと僕は下界でも息苦しい。
それはおいといて、国からのばら撒きは、財政の更なる悪化のみならず贅沢や不公正の基となる可能性がある。
それを防ぐために必要な監視体制を強化しようとするとそれもできないだろう。なぜなら民主党の公約では公務員人件費は2割削減だ。削減されて仕事が増やされたら公務員もたまらない。面倒だから、どんどんお金をばら撒けばそれど良いということになりはしないか?
民主党の公約は地方に住む僕の様な産婦人科医にとって良い事の様に思える。しかしそれで国が滅んでしまえば元も子もないという不安を、僕はどうしてもやはり抱いてしまうのだ。 |
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後悔は先に立たないので
金曜午後からは優しい代務先生が高山に来てくれる事になっていた。緊急手術も避けれたし、大事な用事も少ない。今週末は楽しく過ごせそうだ。
と思っていたら天気予報が今ひとつ思わしくない。どうやらこの週末の山は雨になりそうだ。しかも代務先生は日曜昼には高山を離れてしまう。天気予報では日曜昼からが晴れマークだ。
つまりせっかくの代務先生も雨マークと共に仕事に来て、雨マークと共に去って行く感じだ。タイミング悪いなあと思う。
というわけでこの土日は午前中に比較的低山の山や川で遊び、土曜午後は学会シール集め(本当は勉強ですが・・)に、岐阜の学会出席にした。もちろんその他諸々の用事もたくさんある。
まずは雨の土曜午前は乗鞍岳麓の滝巡り、午後から学会。今日日曜日の午前は長男と荒城川の渓流釣り、午後から仕事諸々で今に至っている。
さて山に行っていた土曜午前は雨だったが、どうもその後の天気予報はやや外れ、土曜昼前からはずっとまあまあ好天の週末が続いている。
こんな事なら、日曜昼まで限定で、泊りがけ3000m級縦走を長男としてくるという選択肢もあったと思う。
しかし公私共に何があるかは分からない訳で、後からこうしておけば良かったなんて言っても仕方が無い。ワークアウトは今ひとつできてないが、それなりに満足行く週末を過ごせているから不満は無い。
そういえば今日は総選挙だ。選挙結果の予想では民主党圧勝だった。
しかしどういう結果になるかはもちろんまだ分からない。天気予報と同じで選挙予想もやや外れるだろうか??
ともかくは後からこうしておけば良かったなんて思いたくは無い。
今はこれから先に国がどうなるか誰にもはっきり分からないのだが、後世に国民全体が後悔するような総選挙結果にならなければ良いと強く思う。
釣果よりも選挙結果の方が大事ですから
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強い心で生きたい
昨夜も何時呼び出されるか分からない分娩が一件残ってしまった。ホルター心電図を身に付けている事もあるし、夕食時にビールを飲まずに待機する。これは正しい選択で、夕食直後ぐらいに問題なく分娩は済んだ。せっかく飲んでいないのだから?と、ケッタではなく愛車で出動する。
帰宅後には、このまま今日は我慢して休肝せよという、家族周囲の厳命あり休肝木曜日とした。
しかし普段と同じ生活をしていないとホルター心電図の意味が無いという事だから、何時もの様に飲んだ方が良かったという説もある。夜中はきちんと眠れてこれは良かった。
今日は早朝未明から勝負誘発の方が一件入っていた。手術の可能性を睨みながらの外来業務となる。
無事昼頃産まれてくれたが、とある理由で難産となり、多くの患者さんらが外来で長時間待たされる事となる。とはいえ僕の身体は一つしかない。何時もの様にマイペース?で一つ一つ仕事をこなしていくのみである。
さてさて親切な循環器内科医のお陰で夕方にはホルター心電図の結果が出た。
どうやらストレスによる一時的な期外収縮の頻発だったらしい。ちょうど分娩業務の時刻に最も多く不整脈が頻発している。あまりに綺麗に出ているので驚くくらいだ。一方自転車で坂道を漕いでいる最中にはあまり出ていないから、運動よりもストレスがいかんのだろう(多分)。危ない不整脈は無かったのである意味安心した。
僕は意外にストレスに弱い心臓だったのだなと、改めて認識する。そういえば山でも僕はどちらかと言うと小心者?で、怖がりだ。
だから岩登りも今ひとつ上手くならなかった気がする。ここは精神修行?で心臓に毛をもっとはやさんといかんと反省?したりする。 |
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心配をおかけしました
昨日は早めに仕事を終えれた。夕暮れの時間を使って、子供とサッカーの練習も出来る。その後はいわゆる切迫タイム午後10時に、切迫さん救急呼び出し一件あり出動を要したのみですむ。既にしっかり飲んでいたので夜の坂道をケッタマシーン(名古屋限定の方言ですか?)で出動した。
以前は切迫タイム午後9時〜10時に、毎日の如く救急から呼び出しがかかっていたものだ。随分と堪らんかった事を思い出す。
しかし救急外来コンビ二化という言葉が世間に周知されだすと、2年ほど前から水を引くように切迫タイムの切迫受診が無くなった。こういう所は当事者である僕ですら、何だか不思議な気がする(詳しい解説はこれ以上は省略)。いずれにせよ現在の医師不足の中では良い傾向だと思う。
さて今日の外来はまた殊の外混んだ。そうこうすうるうちに昼前辺りから不整脈の自覚が出てくる。
何時もの様にほっておけば良いと思っていたら、徐々に軽い息切れ感まで感じ出した。こうなると秒単位外来をしながら、自分の身体の方が心配になってくる。
何とか外来患者さんらを一段落させると、急いで内科外来に行き救急検査の希望を告げた。
こういうところで直ぐに融通利かせていただけるのは、総合病院務めの有難いところだ。すぐさま心電図、心エコー、胸部写真のオーダーを出していただく。調べてみると上室性期外収縮と、顕著な右軸変異という結果が出た。
どうやら予想通り高所スポーツ心臓?から不整脈を頻発していたらしい。もしかしたら軽い心房細動も出ていたかもしれない。循環器内科医と相談して、ホルター心電図を明日までつける事となった。
ホルターをつけた頃から症状は落ち着いてきたが、どういう結果がでるか興味津々だ。
これらの検査を受けながらも、同時進行で多くの患者さん診察と処置をしなければならない。もしここで心臓発作で僕が急死したら、名誉?の殉職となるんじゃないかなんて、想像したりしながら仕事する。深夜分娩出動中に不整脈頻発してたらどうしよう。
とはいえ客観的に考えると、これもエベレスト登山なんて道楽をしてくるからこんな目に遭うと、捉えるのが普通だろう。
僕があちこち検査室で検査を受けている間、病院内一部では僕が心筋梗塞で倒れたという噂が流れたらしい。心エコー見る限りではそんな事はありえんと思う。しかし人生何があるか分からない。
インフルエンザワクチンも、まず産科医や小児科医からという話もある(実際は??ですが・・)。
心配おかけしたのは申し訳ないが、自分の身体をまず大事にして診療に当たるというのは、きっと悪い事ではないだろう。 |
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何事もタイミング
昨日は比較的早めに業務は終わったが、それでも2件の分娩が残った。うち1件はとある理由で要注意だ。
帰宅後まずはこういう時に便利なノンアルコールビールで妥協し、サッカーお迎えとか各種雑用を早目に済ます。ちょうど夕食時に一人目が産まれてくれた。
続いて残った方の進行具合を睨みつつビールロング缶を半分開けた。ちょうど分娩の頃にはアルコールが完全に抜けている計算だ。ところが思惑ちょっとずれて、午後11時前から胎児心拍下がるという連絡が入ってきた。
これは決断が必要な時間帯である。というのは午後11時と言うのは手術にするかしないかを、早めに決めないといけない現代のトワイライトタイム?だからだ。
経膣分娩と比べ、帝王切開となると、そこに投入しなければならない医療資源は格段に増える。
手術となれば助手を務める医師のみならず、多くの手術室看護師さんに出動を依頼しなければならない。また使用する機械や医療材料も格段に増える。できるだけ真夜中の緊急手術を避ける様にするのは当然だ。
また同時に、深夜3時の経膣分娩と午後11時の手術分娩の2つを比較した場合、どちらが産科医にとって楽かと言うと午後11時の手術分娩のほうが楽だ。
要注意分娩を深夜に跨がせると、産科医の睡眠の質は極端に落ちて翌日の業務に大きく響く。そうなるくらいなら気持ちよく早い時刻に手術にした方が、安心して眠れて翌日の業務もスムーズだ。
つまり何が言いたいかというと、早い時刻に経膣分娩になるのがベストで、次いで深夜の経膣と早い時刻の手術が判断のクリティカルポイント、一番避けたいのが深夜未明の緊急手術という事になる。
手術の上手い下手はともかく、胎児要因を含めここをどう判断するかが、実は産科医の一番の腕の見せ所と言える。
さてさてそんなこんなで諸々の事を考え、僕はもう少し待ってみる事にした。
その後分娩はスムーズに進み、日付変更線を跨ぐ頃には吸引カップをかけれる状態になる(つまり手術を避けれるという事)。そして無事に経膣で産まれてくれた。手術依頼もしないで済み、児も元気だし、僕もそれほど寝不足にならない。
つまりベストの結果に終わったという事になる。
こんな事は多くの産科医にとって日常茶飯事に良くある事だが、前置きで何となく書いている内に、今日の字数が尽きてしまった。
手術決断や分娩を睨みつつ、いかにビールや睡眠のタイミングを計るか。それが多くの産科医にとって、夏の夜の最大のテーマなんじゃなかろうかと、僕は思ったりする。
一過性かもしれないが、売れているらしい。強い味方となってくれそうだと期待しよう
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結局は税金からなもんで
昨日残っていた分娩も比較的早い時刻に産まれてくれた。帰宅後は近視の進んだ次男を眼科に連れて行き、夜はぐっすり眠る事も出来る。何だか眠り過ぎで申し訳ないくらいだ。
今日の外来も比較的楽な方で、要注意経過中の方がいる事以外、病棟も落ち着いてくれている。はっきり言って凪の様な一日だ。
とはいうものの産婦人科業務には波がある。何時次の大波が来るかは分からない。人間寝貯めはできないものだが、それでも休める時に休んでおこうと思う。
さて4年に一度の総選挙が近づいている。そのマニフェストが優れていたのか、政権交代を強く訴える戦術が効を奏したのか、とにかく昨日のニュースによると民主党大勝利確実な情勢らしい。
自民党も民主党も「本当にこんな事出来るんかいな、出来るんならもっと早くからやっておいてくれよ」という感じのマニフェストを出しているが、確かにそのインパクトは民主党の方がやや過激に訴える感じだ。
特に僕の仕事に関係しそうな部分は、やはり子育て支援の部分だろう。財源はともかく中学生以下の子供一人当たり月26000円のお金を援助するという。3人子供がいれば毎月毎月78000円ただで貰えるという訳だ。
これだけ貰えるとなると、それなりに少子化対策として効果あるんじゃないかと思う。2人で子作りを止めていた夫婦が、3人目を考えるというケースも出てくると思えなくも無い。しつこいようで財源の心配はあるが、ぜひ長く成功してもらいたい政策の気はする。
僕の趣味で関係しそうな部分は、高速道路の無料化だ。せっかく作ったETCシステムが勿体無いが、高山の様な田舎?に住んでいる人間にとっては有難い政策と言えよう。
後人生に深く関わるのは年金問題だ。年金という仕組みは今や国の形そのものと言っても過言で無い。
ぜひ自民党、民主党関係なくきちんとして貰いたいのだが、とっても不安な気はする。
細かい事はともかく、結局は舛添氏や長妻氏、及び日本を代表する官僚方の手腕に期待するしかないのだろうが、果たして本当に大丈夫なのだろうか?
官僚の力を弱めながら、それでいて大胆な年金システム変更をするとしている民主党年金政策は、本当に上手く行くか?僕はやはり不安だ。
さてさてそれにしても問題なのは財源だ。世の中は皆支えあってできている。いかに能率よく公平に強いものが弱いものを援助できる仕組みを作るかが、政治の根幹だ。
このままでは多分民主党が選挙で勝つのだろうが、民主党の政策が絵に描いた餅に終わらず、上手く機能して正しい効果を生み出してくれるだろうか?それは大分先にならないとその結果は分からない。
ただ言える事は、選挙でこれらの事が決まったのだから、その結果責任は国民に帰するという事だ。そう思うと選挙の一票の重要性をこの年になって改めて認識していたりする。 |
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ライフも長くなりましたから
代務の先生のお陰で日曜夜はぐっすり長時間睡眠を楽しむ事が出来た。
今日は午前中はやや忙しい予約外来。午後からは手術1件。手術直前に急患さんが立て込んだのでやや焦ったが、予定通りに仕事は進める事が出来た。
更に勝負誘発の方が朝から一名みえたが、今の所順調に経過してくれているため、緊急手術にはならないで済みそうな見込みだ。
話は変わり、昨日の岐阜の勉強会の内容は、銀座の有名婦人科女医さんを招き、女性のライフスタイルと子宮ガン検診に関する講演を拝聴するというものであった。
子宮頸がんの原因はウィルス感染なのだが、性交渉低年齢化に伴い、日本でも10代から子宮ガン検診を受ける様にすべきと強く訴えられている。欧米では18歳で子宮ガン検診を受けるのが常識らしく、そんなものなのかなと思う。
さて性交渉は低年齢化しているが、その一方で女性の結婚、出産、育児は間違いなく高年齢化している。しかも寿命が延びたと共に育児終了後にも長い人生が多くの女性に待つ様になった。
というわけで僕の外来にもそれは様々な年齢の方が受診される。
つい最近でも、幼稚園の帯下から、10代の検診、アラフォーオーバーの出産、アラ米のガン、アラ白の外陰炎(米や白の説明は省略)などがあった。
それぞれにそれぞれのバックグラウンドや原因があり、その説明をすればそれだけで寝不足日記1か月分くらいにはなるだろうが、それは当然できない。
選挙や終戦番組の関係で、この時期歴史を振り返る事が多いのだが、とにかくこういった様々な年齢の方と会っていると、やはり人にはそれぞれ強烈な歴史があると痛感する。何だか不思議に思うが、アラ白の方がその外陰炎の原因を得たのは多分戦争の頃の事だ。
人間誰しも歴史の中で生きている。何十年という単位とそれに伴う加齢変化を考えると、日々の心配事なんてとっても些細なものばかりに思えてくる。 |
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少年サッカーと勉強の日曜日
好天と代務先生と日曜日が有難くも重なった。何も無ければ当然朝早くから山に向かう所だ。
というものの今日は三男の少年団サッカー県大会一次予選、次男の中学部活サッカーの新人戦大会がある。これは応援しない訳には行かない。
あともう一つ僕には午後から岐阜で産婦人科医会勉強会もあった。僕は代わりの医者がいる時でないと、勉強会や学会には参加できない人間だ。できるだけチャンスがあればこういう時に遠出?して勉強もしておいた方が良い。
そこで山には行かず、午前中サッカー応援、午後には岐阜でお勉強?というスケジュールにした。
という訳で僕は山には行けなかったけど、それなりの日曜日を過ごす事が出来た。
僕が高速を運転している間にも、病院ではとある理由で要注意分娩があり、更に近所の開業医さんの所でも手術になりそうな妊婦さんがみえた様だが、その辺は皆不安を抱きつつも不義理させていただく。
岐阜の勉強会から自宅に帰ると、子供達は夏休みの宿題の追い込みでせっせと勉強していた。
聞けばサッカーの戦いの結果は一次予選突破したものの、試合内容がかなり良くなかったと言う。2次予選に向けて暗雲立ち込めているらしい。
子供はサッカー&宿題勉強、僕は仕事&勉強会で、共になんだかんだと忙しく中途半端、かつ同時に玉虫色の成果の日曜日になった様だ。
思い通りにならないのが人生であり、それはサッカーも似てる
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疲れていても、ちょっとは山に入ります
好天が予想される週末。しかも金曜午後から代務の先生が来てくださっている。僕にとってはとても有難い週末だ。当然何処かに出動して良い汗を流しておきたい。
というつもりで早起き山行の準備だけは急いで済ませて、できるだけ早く金曜夜は寝た。
ところがやはり金曜午後の手術のダメージ?はかなり大きかったようだ。
目覚まし時計で目が覚めても、どうしてもそのまま起き上がり出動する気力が湧いてこない。
長男が山に同行しないというのもある。長男の夏休みは今週末で終了だ。どうも貯まった宿題その他をこの土日で一斉に片付ける必要があるらしく、長男はとても山に行く余裕は無いと言う。
というわけで僕も?あえなく撃沈して、再び眠りに入る。
山に行かないとなると、今度はこれまたこれでやる事が沢山出てくる。次男のサッカーの設営手伝い(ほんの少しですが・・)、各種お買い物や自転車の整備、三男を床屋に連れて行ったり、図書館に行ったり、何だかんだとあっと言う間に午前中の時間は過ぎる。
午後から少しやる気が湧いてきたので、今シーズン用の秘密兵器自転車を取り出して(どんな自転車かは恥ずかしくて?秘密です)、荒城温泉恵比寿の湯から林道を走り、更に荒城川上流部の沢の偵察をしてきた。暑い中の行動だったが藪漕ぎも少しあり、それなりに楽しい。帰りにはもちろん恵比寿の湯で、気持ちも身体もさっぱりさせた。
手術がハードだと、一晩それなりに寝ただけでは、身体の疲れは半分も取れない。お陰で今日は一日中なんだか身体がジワリと重い感じだったが、それでもそれなりに有意義な一日にできたと思う。
荒城川上流部、小さな滝もあり沢登りが楽しそうだ。下部にはダム建設現場あり、入るにはちと工夫が必要
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あれからまだ3ヶ月しか経ってないなんて信じられません
昨夜は経過中の方こそ残ったものの、仕事自体は比較的早くに終わった。夜から病院フットサルの練習に参加する。どんなにサッカー下手でも、運動できる時に運動はしておきたい。エベレスト遠征でやや絞られていた身体も、今ではすっかりビール漬けとなり、身も心もエベレスト前に戻りつつある。
案の定僕の足技全く冴えず、試合に出ても皆の足を引っ張るのみだった。そう知っていても、また経過中の方が病院に残っていても、運動後のビールは止められないから困る。
さて幸いの事に深夜の分娩は遷延して、夜中に起こされる事は無かった。分娩は出勤直後の時刻となる。お陰で多くの外来患者さんを待たせはしたが、僕自身は寝不足にならずに済んだ。
今日の外来は予想以上に混んだ。いろいろ要注意の患者さんが多く大変だ。ちょっとの隙間に少しずつ昼の弁当を食べて、午後の手術の時刻には何とか間に合わせた。
今日の手術はとある理由で殊の外タフだ。若くて強い代務の先生と、外科医の麻酔ヘルプも得て、何とか手術はこなす。しかし予想以上の出血に予定通りの手術を完遂する事はできなかった。この辺ちょっと見通しの甘さがあったかもしれない。
その後に各種業務連絡等を済ませ、病棟回診するともうクタクタだ。寝不足無くても、十分昼間の仕事だけで辛いと思う。昔ならこの後に看護師さんや代務先生と飲みに出かけたりしていた事もあったが、今はもうそんな元気も無い。
考えてみたら今日で僕がエベレスト登頂してからちょうど3ヶ月になる。
人間3ヶ月くらいで身体の細胞の半分が入れ替わると聞いた事がある(真偽の程は?)が、僕も今やエベレストバージョンの身体と違う元?の身体に戻ったと思う。
体重や基礎体力は遠征時レベルを保ったまま、手術や医療知識のパフォーマンスはせめて遠征前レベルに戻す。そういう事ができれば理想的なのだが、世の中そんなに甘くできていない。
年と共に体力も手術手技も衰えて行く一方かもと思うと寂しいが、何とかもう一花も二花?咲かせたいという気持ちを失わずにいたいものだ。 |
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何のために登りますか?
昨夜は仕事も遅くなり、更に就寝前時刻に分娩もあった。分娩はやや難産となり、様々な技や薬と共に小児科医出動も要するものとなる。とはいえ睡眠時間が削られる程ではなく、それなりの所には落ち着かす事が出来たのでOKだ。
今日はペーパーワークと各種処置の水曜日。書かなければならない書類の枚数は多いが、今のところはスムーズに進んでいる。
さて先週土曜日に家族で海水浴を楽しんだ後、帰路僕等は富山ファボーレで映画を見てから高山に帰った。
一部子供達は漫画映画に未練ある様子だったが、それは許さず富山ならではの「剣岳点の記」を全員で観る事とする。
家族全員で映画を観ると、それなりの出費にはなる。とはいえ長男と先の日曜日に登ったばかりの山であるし、翌日に家族総出で山登りする前に観る映画としては、ベストの選択だったに違いない。
映画の主役はもちろん剣岳の雪と岩になる。僕は映画内のほとんど全コースを過去に生で体験した事がある。
学生時代には正月に早月尾根を登り、頂上に直接突き上げる南壁を登攀した事もあった。何となくその時の事を思い出して懐かしく感じたりする。また今は知られざる巨大砂防工事現場の立山温泉が、昔は一大温泉場であった事も興味深かった。
さてさて映画の中で最もドラマチックに作られていた部分は、陸軍測量部と新興日本山岳会との剣岳初登頂争いの部分だ。
日本地図を完成させると言う崇高な使命を持って登った測量隊と、遊びの為に登った日本山岳会の学生等が対照的に描かれている。
それは崇高な使命を背負って登った測量隊の方が、ただ遊びで登る学生よりよほどカッコ良いと思う。
話は少し変わり、この春僕はエベレストに登った。日本人としては延べ150人目位の登頂だったらしい。七大陸最高峰登頂と捉えれば日本人で20人目くらいだろうか?
理屈をこねれば、日本人医師初の七大陸最高峰登頂とか、世界初の産婦人科医エベレスト登頂とか言えなくも無い(共に多分)。
しかしどう理由付けしようが、そこにはもう崇高な使命なんて微塵も無い。エベレスト登山はそれだけならもはや典型的な個人の遊びでしかない。多くの方に迷惑をかけて、エベレストにまで行ってしまった僕はなんて自分勝手な人間なんだろうと思う。
明治の頃の日本は貧しかったが、個人の名誉心と集団の使命感のバランスがとても良い時代だった様に思える。使命を持って登る事は辛い事なのだが、それでも山登りに使命があった過去の時代が随分と羨ましくも感じた。
使命感の代わりに、生きて帰るための酸素ボンベを持ってエベレストに登りました
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なんでどんどん行っちゃうの?
昨日は珍しく仕事が早く終わり早引きまで出来た。おまけに夜中の呼び出しも無く、きちんと朝まで眠れる。
というわけで今朝は寝不足感全く無しで、業務に入る事が出来た。
今日は一日中外来の火曜日だ。お盆明けの通例としてしっかり混んでくれたが、寝不足は無く多数の患者さんを診察できた。
その後は会議や回診、更にこれから分娩も待っているが、今のところスムーズな一日と言える。
さてこの日曜日には絶好の好天下、家族5人全員で久しぶりに山登りを楽しむ事が出来た。大抵は僕も含めて誰かの都合が悪いので、家族全員行動は数年前の屋久島以来かもしれない。
しかし家族で登山しようとすると、何と言っても装備が揃わないという問題があった。
幾ら僕が古い山装備をたくさん持っているとはいえ、どんどん成長する子供達の靴から雨具、ザックまで揃っている訳ではない。
幸い予報では雨の心配は無かった。長男以外の雨具はサッカー用ウィンドブレーカー、登山靴は僕の穴の開いたお古のぼろ靴で代用する。
ザックは手持ちの2つのザックに水、食料その他を詰め込み、長男、次男に全て背負わせた。
全員分の水と食料を持つ長男のザックは、日帰り夏山だと言うのに15kgくらいの重さは持たされる。しかし僕が高校山岳部員だった頃を思い出すと、若い者がこの位の荷物を背負うのは当然だとも思う。
さてさてこれだけ荷物を持たせても長男のペースは全く落ちず、どんどん走って登ってしまう。下山はもう待ちきれなくて、一人で1時間以上早く降りてしまった。
他の家族を置いて、しかも大事?な水や食料を持ったまま先に降りてしまうなんて、長男はとんでもない奴だと思う。皆の荷物を持っているのに、どんどん行っちゃうなんて、いかん奴だと後から車の中で叱る。
しかしそういえば、僕もエベレスト頂上アタックの時、酸素を持つと一人でどんどんと頂上を目指した事を思い出した。最終キャンプからの下山の時も、酸素一本貰うと一人でどんどん一人で下山してしまった。
しかもその時最終キャンプには、低酸素で目が見えなくなっていたシェルパもいた(僕はその事を知らなかったですが・・)。他人の振り見て我が振り直せという感じだろうか?
長男を叱りながら、何となくイソップ童話の蟹母子横ばいの話を思い出したりする(説明は省略)。
自分ひとりでどんどん先に行っちゃう所は、長男と僕は似ているのだろうか? またそういう性格だからこそ、僕は一人産婦人科部長を長年続けていられるという話もある。
子は親の背中を見て育つ。いずれにせよ、生意気な長男も知らず知らずのうちに、僕の背中を見て育っているのは間違いないと思う。
元気が余っていても、走って登る必要ありません

エベレスト頂上アタックの朝、酸素を持ってどんどん登る
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海でも山でも遊び回ります
この土日にも分娩や救急は何件かあった。
とはいえ助産師さん、救急当直看護師さん、及び強い味方の開業医先生に全て活躍していただき、実質僕の出動は無しで済む。
お陰で僕は土曜日に海、日曜日に山と、代務の先生不在にもかかわらず、時々病院に電話を入れるだけで問題なく遊びに出かける事ができた。毎朝早くに自宅を出たためか、時間帯もずれてお盆の混雑に遭う事も無い。
土曜日は朝日町ヒスイ海岸で海水浴を楽しみ、続いて地中海ホテルで列車と海を見ながら温泉に入り、あさひ食堂でたら汁を食べ、富山のファボーレで映画を見て、スポーツショップでショッピングして帰った。運が良い事に土曜夜にも分娩は無しで済む。
それを良い事に翌日曜も朝早く家を出て、安曇野まで車を走らせ、家族総出の蝶ヶ岳登山を楽しんだ。
剣岳点の記の映画で気分が盛り上がっていた子供達は、もっと障害物?多い登山を期待していた様だが、家族総出のファミリー登山にはこのくらい?で丁度良かっただろう。
更に午後には松本のかっぱ寿司でお値打ち寿司をたらふく食べて、帰宅後は頂き物の取れたて鮎のから揚げでビールとする。日曜深夜に分娩出動無く、今日も適度な疲れで朝まで気持ちよく眠れたから幸運だ。
世間にはお盆ラッシュの混雑や高速事故で大変な思いをされた方が見えるのだが、僕は運良くあちこち動き回って、楽しい週末を過ごす事が出来た。僕の代わり?に働いてくれた方々には感謝しないといけない。
春にエベレストで世界最高点まで登り、夏に海で家族と楽しめるというのは、それだけできっと豊穣な人生だと思う。 慌しく動き回る土日であったが、こういう慌しく動き回る人生をこれからも続けたいし、楽しんで生きていきたいと思う。
標高0mで遊びます

春には標高8848mでも遊びました

新聞に何故か挟まって?いた僕の記事を読む集登(これは本文と関係ありません)
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幸運なお盆でした
例年の如く今年のお盆も誰も代わりの医者はいない。正月やお盆だからこそ代わりの医者がいないというのは、僕の様な立場の一人部長にとってもはや宿命的なものだ。
とはいうものの今年のお盆は何処もかしこも晴れマーク。しかもこの時期にしては涼しくて雷の危険も少ないという。これはお盆でなくても行楽に適した週末である事間違いない。
更に子供達のサッカー等諸々の都合も宜しいらしい。いつも不義理?ばかりしている子供達だが、せっかくの夏休みに一度はどこか行楽に連れていってあげたい。
家族全員で出動できる機会なんて今や殆ど無い。下手するともう2度と無いかもしれない。そう思うとやはりいてもたってもいられない気持ちになった。
ここは申し訳ないけれど、必殺開業医先生に、土日の空の明るい時間限定で、病院お留守番をお願いしてしまった。心配な患者さんもいない訳ではないが、大丈夫の方に賭ける。
というわけでこの土曜日は、富山県朝日のひすい海岸で海水浴、日曜日は長野県安曇野の蝶ヶ岳登山を楽しんできた。更に隙間の時間に映画を見たり、ショッピングを楽しんだりも出来る。
夜は高山でそれなりに仕事していたりしていたが、病院もほとんどずっと落ち着いてくれていたし、家族全員で2日間行動を共に出来たという事は画期的なことだ。
今年はエベレストも登れたし、お盆に家族で過ごす事も出来た。何だか今までで最高に幸運な一年になりそうだ。
蝶ヶ岳山頂からは槍穂高が一望できた
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個人と集団の夏
仕事自体は早めに終わったのだが、昨日も進行停止気味の分娩が残ってしまった。遅い夕食の時刻にまずやや難産の分娩が一つ。化学的物理的な力を各種利用して、妊婦さんはもちろん家族やスタッフも疲れる分娩となった。
それだけなら良かったが、更に深夜にもう一件入ってきた。良い時刻に分娩になってくれるよう願ったが、願いは通じず丑三つ時の分娩となる。傷も大きく深夜業務としてはハードだ。
と言う訳で今日も熟睡感が得られないままの出勤となった。朝の夏の日差しが妙に眩しかったりする。
例年ならお盆の外来は比較的空く事が多いのだが、今年はそれほど空いてくれない様に感じる。あくまで主観的なものだろうが、寝不足秒単位外来が何時もより長く続く様に感じた。
幸い午後からは手術もなく、ちょっと楽できたが、昼寝をしても寝不足感は取れない。昔なら深夜に数件分娩があってもどうという事は無かったのに、年は取りたくないものだと思う。
さて夏のこの時期は、何時も戦争関係の番組が多数報道される。去年は硫黄島関係が多かったが、今年は比較的戦争責任に関する報道が多い。
日本の戦争は誰が始めたのかはっきりしないと言うのはよく言われている事だ。テレビを見ても東条英機が始めたのか、昭和天皇が始めたのか、どうも釈然としない。国民やマスコミを含めた日本国全体が戦争に向かっていこうとしていたのだろうが、あまりに個人が見えないと思う。
さてさて今年の夏はもう一つ総選挙の夏でもある。今度の総選挙は政権選択選挙だ。
それはすなわち総理大臣を国民が直接選ぶ選挙だという意味でも意義ある事だろう(実際には間接的だけと、現実には鳩さんか麻生さんか国民が選ぶと同様だ)。僕が生まれて以来始めて、実質的に選挙で総理大臣が決まる。それはきっと良い事だと思う。
しかしどうしてもマニフェストばかり注目されて、総理大臣を選ぶという事は焦点にならない様だ。
現実には民主党が勝とうが自民党が勝とうが、鳩山さんや麻生さんが今後4年間ずっと総理大臣を務める可能性はきわめて低いから仕方無いのかもしれないが、せっかくの総理大臣選択選挙で、何となくこれは嫌だなあと思う。
人間は一人一人すべて異なる個性で、集団というのは個性の集まりだと僕は思う。集団は個でできている。
しかしどうも日本人は個性と集団は別のモノと考える習慣がある様だ。だから戦争をやる事を決めた人が誰だかはっきりしないし、総理大臣の顔よりもマニュフェストの中味を重視する。
僕は結局世の中で一番面白いのは人間だと思う。人間一人一人が基本なのだ。だから総理大臣には面白い人がなって欲しいと思うが、どうも鳩山さんも麻生さんも国のトップとして面白みに欠ける気はする。
トップの顔よりもマニュフェストが注目されて悪いとは言わない。しかし選挙でも戦争でも、その結果責任は誰がどう取るのか、それは日本人一人一人がこの夏に考えておくべき事だろうと思う。 |
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雑誌に載るネタは
昨日は分娩も残らず仕事も早く引けた。珍しく明るい内には帰宅できる。早く帰宅できたらまたそれでやる事はたくさんある。夕方の僅かな時間で、自転車の整備や、子供の送り迎え、各種雑用仕込みで過ごした。
分娩も無く問い合わせも無いという、滅多に無い無風快晴の夜で何だか少し得した気分になる。今日も今のところは比較的落ち着いた一日だ。経過中の方は残っているが、促進も加えて良い時刻には産まれてくれると思う。
さて僕のところには毎日、多くの手紙や雑誌やメールが届く。その約半分は開封されないまま、PCや実際のゴミ箱に送られてしまうのだが、中に重要なものも混ざっているので要注意だ。
今日もそういった各種送付書類の中に、メディカルトリビューンと言う雑誌が入っていた。
日本最大の医学系週間雑誌で、世界中の医療情報が載っている。有償無償様々な形で日本国中の医師の手元に届き、医学系では発行部数がかなり多い雑誌だ(もしかしたら最大部数かも?)。
今回はいつもと違う形で送付されているなあと思ったら、僕のエベレスト登頂の記事がその人物欄で紹介されていた。
僕は過去に様々な雑誌に載ったり、紹介された事があるが、そのほとんどは山関係情報誌である。
医学関係の雑誌に載った事は、産婦人科専門誌に症例報告などで数回しかない。それももう10年以上前だ。
今となっては、僕がインパクトある医学報告をする可能性はまず無いので、もはやこの手の医学雑誌に自分が載る事は無いと思っていた。まさか山ネタで医学雑誌に載るとは自分でも驚いてしまう。
医学系雑誌にも格付けがあって、サイエンスとかネイチャーとかランセットとかが最高峰で、それが医師としての名誉にもなるし、研究者としての実績にもなる。とはいえこの手の雑誌に僕が載る事は、もう引っくり返ってもそっくり返ってもありえない。
医師としての業績や研究ではなくて、山ネタで医学雑誌に載るのは、嬉しくない訳でないが、それなりに少し複雑な気分だ。
そう思いながら雑誌を見ていると、たまたま僕の記事の横ページに製薬会社の広告があり、サッカー界最高のGKワールドカップMVPのオリバーカーンが大きく掲載されている事に気づいた。ぱっと見開くと、オリバーカーンと僕が横に並んでいる様に見えなくも無い。
これは子供達に自慢のネタが増えたと思う。医学雑誌に山ネタで載る事より、カーンの横に僕が載っている事の方が、何だか妙に得した気分で嬉しかったりする。
カーンの横に僕が載っているなんて、誰も気づかないかもしれないけどね・・
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小手先技で対応します
昨夜残ってしまった分娩は、幸いの事に就寝前時刻で産まれてくれた。さくさく出動して問題なく対応する。続いてもう一件深夜入院の明け方分娩があったが、これも助産師さんに上手く対応していただき出勤後縫合で問題なく対応できた。
というわけで夜の分娩2件ありも、僕の寝不足は無しで済む。お陰で今日の仕事はスムーズだ。
当たり前だが同じ夜の分娩でも、就寝中真夜中での1件は、就寝前起床後時刻の5件の分娩よりずっと身体に負荷を与える。大事なのは仕事量よりも睡眠休養時間の確保で、この事はこの20年間の産婦人科業務で身に沁みている事実だ。
さて梅雨が明けて暑い日が続いている。夜もすっかり寝苦しくなり、高山でも就寝時クーラーが必須になってしまった。とはいえ僕の家では子供部屋にクーラーは無い。
夜に自分だけクーラーかけて涼んで寝ていると、当然子供達は羨ましがる。しかし子供達には夏休みがあるけど、大人には無いんじゃと話し納得?させて、彼等には扇風機で我慢させている。
さて話は変わり、この日曜日に僕は長男と剣岳に行った。台風9号の影響もあったのかもしれないが、何が印象に残ったかと言うと、暑くて湿った中での蒸し風呂登山だった事だ。
こういう中での運動はサッカーでも登山でも、パフォーマンス維持のために水分補給がとても大事だ。下手すると熱中症で死に至る事もある。
この時登山素人の長男は、ザックの中にペットボトル4本しか水を持っていなかった。
4本だと1,4リットルの水分量と言う事になるが、暑さの中の早月尾根往復でこの水分量はあきらかに少なすぎる。そのため彼は下山時に脱水気味でバテていた。
いちおう登山ベテラン?の部類に入る僕は、長男の水分量が少なすぎる事に気づいてはいた。しかしこれも試練だと思ってわざと教えなかったりする。必要な水分量も自分で考えろという訳だ。
なおまともに歩くと、僕はとても長男のペースについていけない。多少ばててくれた方が僕としても歩きやすいという計算もある。
案の定その計算は当たり、早月尾根の下山時に長男は水が無くなった。一方僕はエベレストで謙ちゃん隊長に教えてもらった新兵器キャメルバックにたっぷりの水を持っていた。脱水を起こさない程度に予備の水を恵んであげて恩を売る(なんて悪い親だろう)。
若さの体力でガンガン登る長男に付いていくのは大変だ。僕はその年の差を経験と装備とずるさ?でカバーするしかない。
長男は普段着にジャージでただ歩くのみの登山をしている。一方僕は機能下着に、キャメルバックに、インソールに、両手ストックを使い、技?で登る。
そんな小手先技に、意地悪?も加味し、何とか子供に負けない様にするずるい?親さんなのであった。
頂上付近は涼しくて、岩場が楽しい

下山時もう水が無いぞ・・
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台風も地震もお盆もありません
つい先日までワイドショーでもニュースでも、ノリピーを中心とした芸能ネタばかりだと思っていたら、昨晩のニュースはいきなり台風情報に変わっていた。
突然と現れた台風9号が、何時の間にか各地で様々な災害を引き起こしている。中には若い家族が避難中に一気に濁流に流されたなんてニュースもあって気の毒でならない。
何でも台風9号は、日本近くの高緯度でいきなり出来た台風らしい。
とあるニュース番組では地球温暖化により、日本近くで台風が出現するようになったため被害が拡大したと分析されていた。
一方家人によると、日本国中ノリピーの話題に気を取られていたから、台風が近づくまで世間が気づかなかったという事になるらしい。どちらも妙に説得力あると思ったりする。
さて昨夜は夜中の分娩も無く、きちんと朝まで寝て過ごす事が出来た。
ところが全く平和だったかというとそうではなくて、深夜未明の時刻に地震があった。寝ていた僕も気づいて起きるくらいの揺れだ。滅多に地震が起きない高山でも震度2とある。
明け方の地震といえば、阪神神戸大震災の時の事を思い出すが、幸いそこまでの被害はなかったらしい。ただ朝のテレビニュースで東名高速が通行止めになったと報道されていた。
世間では今はお盆の帰省ラッシュだ。1000円高速で帰省しようと思われた方の中には、大変な目にあった方も多いだろうと拝察する。
一方僕にはお盆休みは例年の如く一日も無いから、帰省ラッシュは関係無い。何時もの様にひたすら働くお盆になるだろう。
というわけで今日も僕はひたすら働いた。一日中の外来に分娩に各種処置もある。あまりに沢山の診察があったので、朝に分娩や入院があった事も忘れてしまいそうだ。今も経過中の分娩が一件残っているが、睡眠時間に影響しなければ良いと心底思う。
さて書きたい事はたくさんあるのだが、今日は当たり前の前置き文章だけで字数が行ってしまった。
芸能ネタに台風に地震と次々と色々な事が起こるご時世だ。これが映画だったら次に怪獣が東京湾に現れるとなる。
だが東京湾に怪獣が現れようとも、北朝鮮からミサイルが飛んでこようとも(高山に落ちたら別)、僕は病院で産婦人科業務に追われ続けている事は間違いないだろう。 |
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筋肉痛で仕事してます
昨日の早月尾根往復はそれなりに身体に負担をかけたらしい。今日は一日足が筋肉痛で痛かった。
代務の先生のお陰で夜はしっかり眠れたから寝不足感は無いのだが、廊下歩行や立ち座りのスピードは、筋肉痛のためいつもよりちょっと遅い。
さて医者の仕事は典型的な座り仕事だと多くの方は思っているかもしれないが、実際はそんな事は無い。多くの医者はたいてい病院内を一日中あっちこっち動き回る必要がある。
また産婦人科はほとんど全員の患者さんで内診をするのが原則だ。
何だかんだと一人の患者さんにつき3回の椅子の立ち座りが必要となる。それだけで僕は毎日200回は、椅子を立ったり座ったりしている事になる。それが大した運動になっているとは思えないが、毎日の事であると考えるとそれなりに腰や尻に負担を与えているかもしれない。
というわけで僕は、椅子の立ち座りの方法についてもそれなりにこだわっている(どうこだわっているかを説明すると長くなるので省略)。腰痛や肩こりは産婦人科医の職業病だとも言われているし(国民病でもありますが)、そうでもして工夫しないとこの仕事は長く続けられないだろう。
さてさて今日の仕事も慌しかった。午前中の予約診察に、月曜ならでは急患受診が続く。午後からは2件の手術。その後に分娩があり、検査があり、救急があり、病棟回診もある。
手術はもちろん典型的な立ち仕事だ。手術中は緊張してるから筋肉痛は感じないが、それでも2時間は立ちっぱなしだ。
外来の隠れ部屋で昼休み休養する時間もあったが、5分も休むと分娩室、レントゲン室、病棟、その他から、呼び出し催促電話が次々と入る。
その外にも各種問い合わせも多く、何時もながらの慌しい月曜日だった。こういう日に歩くスピードが遅いと、仕事の進捗具合に多少の影響を与えるかもしれない。
夕方には大分楽になってきたが、昔はこんな筋肉痛で悩まされる事なんて無かったのにと思う。これも老化の影響かもしれないし、登山後の温泉で足を暖めすぎたのもいけなかったかと思う。
エベレストの時には、参加隊員の中にアスリート出身?の方がいて、毎日僕は彼の勧めで多量のアミノバイタルを摂取していた。市販のアミノ製品の中ではかなり高価なものだったが、少しでも疲労感を摂るために遠慮なく頂戴していた事を思い出す。
身体を長く健康に使うためにも、これからは登山後にアミノバイタルプロを摂取して、アイシングとかストレッチとか多少の工夫をする必要が出てくるのかもしれない。 |
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剣岳で蒸し風呂登山
代務の先生もいて、天気も多分まあまあの日曜日。ここは出動しない訳には行かない。やはりここは長男と根性夏山登山に出かけよう。今日の目標は満を持しての剣岳だ。できれば登山終了後に、富山の映画館で剣岳点の記の映画も見て帰ろうと思う。
雷に遭うのが嫌だったので、午前2時起床とし自宅発、まだ薄暗いうちに馬場島からスタートした。
標高差2000mの早月尾根をひたすら登り、頂上を踏むとまたひたすら下山する。心配していた雷雨にも遭わず、概ねスムーズに往復できたから良かった。
とはいえ長男にはそれなりに下山時の暑さが応えたらしく、今までに無い過酷な登山になった様だ。
最後は蒸し風呂の様な暑さの中での下降となり、歩行ペースも大分落ちる。9時間半で往復できたからまあまあであったのだが、帰りに温泉に入ると時間が無くなり、剣岳点の記の映画を観る事は残念ながら割愛とする。
映画を観るのはまたの楽しみにしよう。時間無く観る事ができなくても、DVDが出るのを待つという手もある。
さて今日は朝から気温も高く、登山道はドロドロ、岩場も濡れていて、早月尾根は不良コンディションだった。とはいえそれでも今日一日でとても多くの登山者とすれ違った。これも映画の影響かもしれない。高齢の登山者も多く大変な事だろう。
今年は多雨の夏になるとの事だ。まだしばらくこんな蒸し風呂登山が続くのかと思うと、僕も少し気が重い。
とはいえきちんと登れると登山は楽しい。ここはサウナ風呂でのダイエット登山だと思って、もうちょっと頑張って夏山に行こうとは思っている。
岩場通過は問題なく楽しかった

賑やかな頂上では、何だかアウェー気分
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山には行かずに芸能ネタでも
今日は2週間ぶりに代務の先生が来てくれている休日となった。天気の具合もまあまあで雷にさえ注意すれば、十分夏山登山を楽しむ事も出来るだろう。
しかし深夜仕事が多かった今週業務と、昨日のややハードな手術の影響で身体に元気が湧いてこない。
朝早く起きて山に出動する気はどうしても起きなかった。登山スタンバイ?状態であった長男には、今日はお休み日にしようと弱気に話したりする。
という訳で朝は寝坊して、その後はMTBを修理したり、エベレスト?(と言うよりそこまでの輸送で)で傷んだスキー板をチューンアップに出したり、次男のサッカー練習試合の観戦をしたり、三男の送り迎えをしたり、要するに諸々雑用で過ごした。こういう日もたまには無いといけない。
空いた時間に病棟に顔を出すと、看護師さんから「あれー先生今日は何処にも行かないの?」と聞かれる。「昨日の手術で疲れたのじゃ」と答えると、「もう年だからねー」と図星差されたりする。
さて話は変わり、ここ数日テレビをつけると、芸能ゴシップネタがやたら多く流れてくる。
酒井のり子の失踪や、押井学の覚せい剤逮捕がそのメインだ。どうも飛騨地域と関係した方も中にいて、地域コミュニティーの中で話題になっているらしい。
それはともかく、僕の一番気になったのは大原麗子の孤独死の話題であった。僕等の世代の日本人男性なら誰もが知る美人女優が、死後2週間してからやっと発見されたと言う事実に、びっくり仰天したりする。
これから先、身寄りのいないお年寄りの数は確実に増える。飛騨の様な田舎ではさほどでもないが、都会では孤独死はもうすぐそこの身近な出来事になっているのだろう。
そんな思いを抱きながら、今日の一番の楽しみは全国少年サッカー大会の決勝戦をテレビ中継で見る事であった。日本一のチームとなったグランパスU12と高山FCは、半年ほど前に静岡で対戦した事がある。もちろんその時高山FCはぼろ負けした。
三男もグランパスと戦ってその俊足フォワードに翻弄されていたのを思い出す。こんなスーパー少年プレイヤーに勝てる訳は無いやなんて思う。
大原麗子の孤独死のニュースを見た後で、少年サッカーで飛び跳ねる少年達の映像を見たりすると、老いる事の悲しさをまた切実に感じたりもする。 |
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寝不足手術の顛末は
昨夜残ってしまった分娩は、恐れていた通り午前2時頃やっと分娩となった。
例によっての深夜出動となる。深夜未明に帰宅し、短時間にぐっすり眠るためマイスリーを半錠飲んで寝る。睡眠薬の効果で、それなりの熟睡感は得る事が出来たが、どうしても多少の寝不足感が残った。
これは今週まともに寝れたのが、一日しかなかった事の影響もあるだろう。生活リズムの乱れが残り、多少の内分泌異常があるのかもしれない。
と言う訳で今日は午前中に寝不足外来、午後は寝不足手術という事となる。手術はとある理由でタフな手術が続き、産婦人科ならではの辛い一日となった。
2件目の手術は、予想外の展開で時間を費やし、他科医師のヘルプ要請と麻酔法変更も要した。もちろん手術手技はきちんとこなしたがもうクタクタだ。
2件目の手術で麻酔法変更を要した理由は、寝不足術者の指先スピードが遅かったから、というのがメインの理由ではない。
腰椎麻酔の効果範囲狭く、腸蠕動の抑制が中途半端だった事が大きく影響している。婦人科手術では腸が動くと術野の確保が途端に難しくなるのだ。
僕はいつもこの手の手術の時は、上腹部の十分な範囲まで局所麻酔を効かす様にしている。しかし術前の準備が良くなかったらどうにもならない。
と言う訳で、手術終了後、ナースに今後は術前準備に十分な腸内洗浄を行っておく事を厳命?指示する。腸内残渣が残っているか残ってないかで、婦人科手術の難易度は全く異なる。この点はきっと今後は改善されるだろうと思う。
何時まで経っても良くならない事もあるが、改善できる事は改善しないといけない。
しかし術者の寝不足対策については、何時まで経っても改善できない。僕はこの10年以上寝不足手術には、本当に苦労してきた。どうすれば世間の分娩需要に応えつつ、寝不足手術を無くす事ができるのだろう?
僕もどんどん年を取っていく。何時までも従来どおり目も利き指が動くという訳では無い(まだ大丈夫だと信じてますが・・)。
とにかくは取り返しのつかない事が起きる前に、寝不足手術を無くす方法を模索しないといけないと思っている。 |
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生まれる時と死ぬ時
昨日は夜に病院フットサルの公式試合があった。
3日連続の深夜業務で眠たいのに、その上フットサルで激しく身体を動かす事は無いという話しもあるが、しっかり眠るために運動はとても大事である。
深夜業務が続いた後であるからこそ、身体を動かしておいた方が良い。これは寝不足業務15年の僕の経験則の一つでもある。というわけで昨夜は無理?にでも寝不足サッカーを楽しんだ。蒸し暑さと寝不足で身体の動きは今ひとつだったが、お陰で夜のビールは美味い。その後は今朝まできちんと眠れたから、幸運で幸せな夜だ。もちろん寝不足感もリセットできる。
今日はやや大変な分娩と外来、検査、病棟業務が各一件づつ入る。無事にこなして手術も無く平和な方の日だ。
ただ夜にかけての分娩が残ってしまった。、明日には大変な?手術が2件控えているから、深夜分娩となれば明日は厳しい寝不足手術になる可能性がある。今のところは嵐の前の僅かな静けさという感じだけなのかもしれない。
さていきなり話は変わり、最近移植医療と脳死の問題に絡み、人の死が何時なのかという事が国会で話題になった。
産婦人科では圧倒的に産まれる方(新生児ですが)が多いのだが、たまに亡くなる方もいる。人間生まれる時と、死ぬ時はだいたい逆コースを辿るものだ。
人間はまず生まれる時、胎児の時代に心臓が動く様になり、続いて羊水の中で身体が動く様になり、出産後臍の緒からの栄養が断たれてから呼吸を始め、経口で乳から栄養を摂れる様になる。これはほとんど全員同じコースだ。
一方亡くなる時は、まず食べれなくなり、身体が動かなくなり、呼吸が止まり、心臓が止まる。これもだいたい皆同じコースを辿る。産まれる事と、死ぬ事って何となく似ているし、また対称的に感じるが、それは単なる思い込みだろうか。
分娩出産の時に人が産まれると考えるとすると、生死を対称的に考えるのならば、口からモノを食べれなくなった時に人は死ぬと考えるのが自然だ。
胎動を感じた時に生を感じるのならば、対称的に身体が動けなくなった時が死を感じる時だろう。
心臓死を人の死と定義するのならば、心臓が動き出し妊娠6〜7週くらいの胎児から、生を定義しなければならなくなる。
また産まれる時と死ぬ時は、誰もが24時間何時になるか分からない。ただ人間だけは分娩出産時刻を帝王切開で、死ぬ時刻を自殺で決める事もできるといえばできる。
ここでいきなり話は飛ぶが、最近流産する妊娠が世間で増えていると言う話がある。
流産と言うのは心臓が動くのが分かってから、児が育たなくなる場合もあるし、心臓が動き出す前から胎児が育たなくなる場合もある。心臓死や脳死の事を考える事は、流産を人の死と考えるかどうかに似ている感じがするがどうだろうか?
帝王切開と自殺をリンクさせたり、脳死を流産とリンクして考えるのは、あまりにも突飛な発想だろう。とはいえ生死を考える哲学の糸口としては、案外当たらずとも遠からずの面はあるかもしれない。 |
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油断してたら今日も寝不足
昨日も忙しかったが、仕事自体は比較的早く終わってくれた。幸い経過中の方も残らず、入院患者さんも比較的安定してくれている。そういう時にタイミング良く?たまたま小児科病棟のビール会があった。先日産婦人科のビール会をキャンセルした代わり?に小児科宴会に飛び入り参加する事にした。
飲めるのならば何処でも行きますという感じも無きにしも非ずだが、梅雨も明けた事だし、たまには外で飲むのも良いだろう。
という訳でビアガーデンで遅くまで飲み、何時もと違う看護師さんらと歓談し、更にホテルの温泉にも入り、やや遅めの時刻に帰宅した。
これで寝る前に軽くストレッチして、デパス飲んで寝れば朝まで熟睡間違い無しだ。この2日間の寝不足感も間違い無くリセットできる。
ところがその望みはまたも砕かれた。午前3時きっかりに病棟からの出動要請電話が鳴る。どんなに眠くても出動しないといけない、やんごとなき理由であった。ドヒャッと起きてきちんと出動し、明るくなるまで仕事に励む。
2日酔いの影響は残ってなかったと思うが、3日連続寝不足業務はボディーブローの様にジワリと応えて、身体や心臓がそれなりに辛い。
寝不足と言うのは、仕事している夜中に辛いのでは無い。翌日の昼間の仕事中に辛いのだ。これは徹夜マージャン明けと同じ事だ(もうこの年で徹マンする事は無い訳ですが)と思う。
幸いペーパーワークで固めた水曜日なので、できるだけ休み休みダラダラと仕事して負担軽減に努めた。
こんな事なら他科のビール会にまで参加しなければ良かったと少し思う。しかしそうでもしなければ産直週6日の僕は何処にも出かけられなくなってしまう。とにかく今夜はきちんと朝まで眠りたい。こんな仕事は長く続けられんと思いながら、せめて日記に愚痴書いて心癒そう。
食べすぎ、飲みすぎ、以外にも注意事項が多すぎるので・・
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やっぱり老化ですか
昨日は仕事こそ早めに終わったものの、経過中の方が2名深夜まで残ってしまった。こんな事では産科医として修行不足かもしれないが、何時突然呼び出されるのかと思うと、眠りがどうしても少し浅くなる。
結局2件の分娩は明け方の時刻となり、それぞれに出動を要した。多分先週末に身体を動かしていなかったのも良くなかったのだろう。熟睡感は今ひとつ得られず、朝食を食べる時間も無くなった。
というわけで今日も2日連続の寝不足外来となった。今日は一日中外来の火曜日で、特に午前中は秒単位の忙しさだ。緊張と寝不足?で夕方になると不整脈が連続しだす。これはもちろんエベレスト登山後のスポーツ心臓の影響や単なる老化もあるだろう。
さてそういえば、昨夕は仕事が早めに引けたので、次男のコンタクトレンズを買いに行きがてら、ついでに自分の視力検査も眼鏡屋さんで一通り受けた。というのも最近僕は遠くのものがぼやけるのだ。
自分では近視が進んだのかと単純に思っていたら、眼鏡屋さんの診断によるとそうではなくて、これは老眼がかなり入っているらしい。
老眼と言えば普通近いモノが見えなくなるものだと思っていたが、僕の場合普段の仕事で近いものばかりにピントを合わせているため、逆に老化で遠くのモノにピントが合わなくなっていると言う。
というわけで、「これも年のせいですネー」なんて言われながら、さりげなく遠近両用レンズを勧められた。とはいえレンズのお値段もかなり高く、眼鏡新調はまたの機会にする。
ついでに最近白いものが眩しいと話したら、これは白内障かもとも言われる。僕の場合特にこの春の遠征で散々放射線を浴びたから、人より白内障が早く進んでいてもおかしくはないだろう。
とはいえ白内障診断は眼科受診しないと出来ないらしい。しかも白内障と診断されてもそれほど効果的な治療法は無いらしい(幾らなんでも眼内レンズ交換手術にはまだ早いでしょうし・・)。
人間身体の中で老化が早く現れるところがあるわけだが、僕の場合どうもそれは目、次いで心臓?あたりに来そうだと思う。
老化を防ぐためにはどうすれば良いかと言うと、大抵規則正しい生活とか、十分な睡眠とか、適度な運動とか、質素な食事とかそんな所が思い浮かぶ。しかし肝心の規則正しい生活や十分な睡眠とかは、寝不足業務が当然の僕の場合どうしても難しい。
せめてこんな日記でPCを見つめる時間を減らし、抗酸化食品サプリメント例えば僕の場合ブルーベリーなんて、取ってみると良いのだろうか?そんな事思いながら、最近白髪も急に増えているなあと思う。
エベレストという大きな目的を達成した、燃え尽き感もあるのだろう。村上龍の本の中に「全ての男は消耗品である」というエッセイ集があったが、僕も後はこのまま老化消耗していくだけなのだろうかと思い、ちと悲しかったりする。 |
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