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印南町の放火止まらず

2009年9月 4日

0904④.jpg 印南町内で連続発生している不審火で、 3日未明から朝にかけて、 また倉庫が全焼する火災が3件続発。 今度は島田地内2カ所だけでなく印南地内も1カ所被害にあっており、 犯行範囲が広がっている。 町内ではことしに入って倉庫ばかり8カ所で全焼しており、 御坊署では連続放火事件とみて捜査。 連日、 未明に鳴り響くサイレンに住民らは眠れない夜を過ごし、 不安と怒りをにじませている。

 今回被害にあったのは3カ所。 最初の現場は島田地内、 旧レストランみわ北約300㍍の国道42号東側のJR紀勢線線路沿いにある同地の農業村上誠八さん(61)所有の倉庫で、 午前1時ごろ、 国道を車で通りかかったみなべ町の女性(18)が発見し119番通報した。 日高広域消防と地元消防団が出動し、 隣接する16平方㍍と5平方㍍の農業用倉庫2棟が全焼し、 中に入れていた防風ネットやビニールシートなども焼けた。 村上さんによると、 最後に倉庫に立ち寄ったのは1週間ほど前だという。 消火活動を終えた広域消防や消防団らが撤収したあとの午前2時45分ごろ、 再び消防団招集のサイレンが町内に響き渡った。 今度は最初の現場から北に約6㌔離れた印南地内、 第一電工㈱から西約150㍍の丘の頂上にある同地の水道設備業笹野忠雄さん(53)所有の倉庫。 1件目の火災で役場に非常招集したあと帰宅しようとして役場から外に出た同町の玄素彰人町長(36)が、 山手で火の手が上がっているのを発見し119番通報した。 広域消防と地元消防団が出動し、 約40分後に消し止めたが、 木造平屋建てトタンぶき約25平方㍍と、 保管していた水道パイプやガス給湯器などが全焼した。 扉は閉めていたが、 施錠はなかったという。 さらに約5時間後の午前7時40分ごろには、 再び島田地内、 中山王子神社南約100㍍の橋ケ谷地内へ抜ける幅員の狭い道沿いにある同地の農業坂田清史さん(75)の鉄骨平屋建てトタンぶきの小屋が燃えているのを、 畑仕事に行く途中に通りかかった同地内の女性(51)が発見し、 自宅に帰って通報した。 広域消防と地元消防団が出動してすぐに消し止めたが、 小屋約7平方㍍とビニール、 杭などが全焼した。 いずれも火の気はなく、 放火とみられている。
 
 町内ではことし3月に島田集会所裏の火の気のない倉庫が燃えたあと、 5カ月余り被害はなかったが、 8月31日未明に島田地内で倉庫2棟が燃える不審火が起こってから、 2日未明には西ノ地地内の倉庫2棟が燃える火災が起きている。 現場は大きな道沿いではなく、人や車の行き来が少なく人目につきにくい場所ばかり。 3日の3件は距離も離れていることから、 犯人は車かバイクで移動しているとみられている。 この8カ所とは別に、 先月27日には印南地内で廃車2台が燃える火災があったほか、 昨年12月には島田地内で倉庫2棟が燃えており、 関連があるかどうかも含めて御坊署が捜査している。
 
 31日未明から1日あいて2、 3日と連続して未明に発生した不審火に、 地元住民らは 「夜も眠れない」 と不安を募らせている。
 
 消防団員も連日の出動に疲労感は隠せず、 ある消防団幹部は 「いい加減にしてほしい。 このままでは団員の体がもたない。 早く犯人が捕まってほしい」 と怒りと不安が入り混じった表情で話していた。

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