不足する医師と看護師の確保を目的に、北見市の北見赤十字病院(吉田茂夫院長)と昭和大学(東京、小口勝司理事長)が相互に人材派遣することになり、2日、同病院で「医療人の育成に関する協定」を交わした。同病院などによると、病院の医局間同士の医師派遣はあるが、病院と大学が人材派遣で協定を結ぶのは珍しいという。
昭和大学病院の医局長(36)=糖尿、内分泌など専門=が北見赤十字へ、北見赤十字病院から救急救命担当の女性看護師1人が昭和大学病院へそれぞれ1日付で派遣された。医局長は3カ月の勤務だが、同大の医師が交代で派遣される。医局長の派遣で北見赤十字病院の内科医は計8人となった。
北見赤十字病院は慢性的に医師不足問題を抱えており、08年4月から約2カ月間、内科が一時閉鎖となったこともある。北見市内の弁護士が小口理事長と知人であることから、小谷毎彦・北見市長らが同大学に人材交流を働きかけていた。
協定式で小口理事長は「大学病院も看護師不足を抱え、双方に意義がある」とあいさつした。協定は毎年更新する予定で、北見赤十字病院は「将来的には複数を相互派遣したい」と話している。【渡部宏人】
毎日新聞 2009年9月3日 地方版