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【社会】

大台厚生病院、経営難で公的支援要請 

2009年9月3日 09時08分

 JA三重厚生連が運営する大台厚生病院(三重県大台町)が経営難に陥り、地元の大台町などに、病院建て替えと来年度以降の赤字補てんを要請していることが分かった。必要額は20億円以上の見込み。受け入れられない場合、撤退も視野に入れており、大台、大紀両町の医療の中核を担ってきた病院が消える恐れが出てきた。

 関係者によると、三重厚生連は8月、大台町と隣の同県大紀町に「医師不足などで存続が難しい」と公設民営化を前提とした協議を打診。その後、両町側と実務会合を開き、三重県や、医師を派遣する三重大の担当者も参加する協議会を発足させるよう求めた。

 厚生連側は、耐震強度不足のため建て替える病院の用地と建設費を両町など行政側がすべて負担することも要請。協力が得られなければ「病院の規模縮小や撤退などの方向で検討する」と伝えたという。三重厚生連の家城幸弘常務理事は「撤退が前提ではないが、黒字化の見通しが立たない。地域で、公的医療機関と同様の役割を果たしてきた病院を支えてほしい」と訴える。

 一方、多額の公費投入には町民らも反発しかねず、大台町の尾上武義町長は「町の財政は厳しく、巨額の負担は難しい。大紀町などと話し合って方向性を探りたい」と慎重な姿勢を示している。

 大台厚生病院は2007年度に医師不足が深刻化し、翌08年度の単年度赤字は2億円、累積赤字は4億円に達している。

(中日新聞)

 

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