山陽商船(竹原市)が10月末での撤退を決めている明石(広島県大崎上島町)―小長(呉市豊町)のフェリー航路について、しまなみ海運(三原市)が引き継ぐことが決まった。呉市が赤字補てんの支援策を実施することで交渉がまとまった。
しまなみ海運によると、中断がないよう11月から運航し、1日12往復の現行ダイヤは変更しない。現在のフェリーに比べて小型の、普通車12台と大型車2台を運べる船を導入してコスト削減を図る。すでに中国運輸局への免許申請のための手続きを進めている。
呉市は年間1800万円の支援を想定。今月の市議会定例会に提出する補正予算案に、本年度末までの5カ月分の経営支援として750万円を計上している。大崎上島町の支援策は未定という。
明石―小長航路は、大崎上島と下島を車で移動するための最短ルート。かんきつ農家の出荷などでの利用もある。大崎下島に陸路で入ることが可能になった昨年11月の豊島大橋開通で利用が減少した。昨年12月〜2月の利用が約4割減となったため山陽商船は撤退を決定。呉市と大崎上島町が存続の方法を探っていた。
【写真説明】10月末で撤退する山陽商船のフェリー。11月から、しまなみ海運が航路を引き継ぐ(小長港)
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