【埼玉】飯能市 市立病院廃止へ 医療介護センター新設2009年9月2日 飯能市は一日、赤字経営が続く市立病院(飯能市虎秀)を本年度末で廃止し、来年度から、十九床の診療所と老人保健施設などを備えた「市東吾野医療介護センター」を同所に新設する関連条例案を九月議会に提案する、と発表した。管理・運営は、市内で病院などを経営する「医療法人靖和会」(同市下加治)に委託する方向で協議しており、まとまれば十二月議会に指定管理者の指定議案を提案する方針。 市によると、同病院は一九八三年に五十床で開設されたが、近くに埼玉医科大学病院があり、平均病床利用率は50%台で推移。二〇〇四年度に五人いた常勤医師も現在一人で、診療科は二年前に外科が休診になり内科だけ。毎年、一般会計から約二億円を病院事業会計に補てんしている。 市では、指定管理者制度の導入で人件費などを抑制しながら、高齢化が進む山間地での医療確保と介護の充実を狙い、六月から靖和会と協議している。 市は市立病院の改修工事を行い、内科のみの十九床の診療所と、定員二十九人の介護老人保健施設、市直営の訪問看護ステーションを整備。来年度は当初内科の外来診療のみを行い、来秋の本格開業を目指す。約三十人の市立病院の正職員は希望を聞き、指定管理者先や、市の別の医療施設で継続雇用する予定。 (山内悠記子)
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