九州出身者を取材することが多く、その度に方言の話になる。大学時代に友人に「なおしとって」と頼んだら「どこも壊れていない」と言われた。「片付けて」の意味だったが全く通じていなかった▼他にも、ばんそうこうの意味で使っていた「リバテープ」や戸を閉めて出る意味の「あとぜき」も方言だったことを知り、恥ずかしい思いをしてきた▼方言で話すことに萎縮(いしゅく)する中、関西の友人に「堂々としゃべるべきや」と言われた時は感動した。独特のイントネーションも多く、地元を離れると使う機会が少なくなるが、長年受け継がれてきた伝統の言葉なので大切にしていきたい。【藤田健志】
毎日新聞 2009年9月2日 地方版