民主政権:予算、対外政策から「日本改造」(下)
民主党はまた、予算が執行される現場をチェックする組織も新設する。名称は「行政刷新委員会」と平凡だが、国費が投入される現場を細かく調べ、無駄遣いの要素をなくす計画だ。国会議員のほかに企業人、財政専門家も参加させる。こうしたチェックで不必要と判断された事業は、予算が執行中であっても中止させる構えで、予算無駄遣いゼロが目標だ。
民主党は4年後には現在の一般・特別会計を含む年間予算(2009年は207兆円)の10%程度を節減し、総選挙で公約に掲げた子ども手当の支給(月2万6000円)の財源に充てることが可能だとみている。
国家戦略局は予算問題のほか、外交政策の基本方向も決定する。外務省や防衛省には一任しないということだ。民主党新政権は脱米国と東アジア重視の政策を掲げており、今後この組織がさらに注目される可能性がある。
■官僚の反発がかぎ
懸念されるのは官僚の反発で動けなくなる可能性だ。国会議員と外部の専門家がいくら中をのぞいたとしても、予算構造を熟知している集団は官僚だ。官僚が動かなければ何もできない。官僚は「無駄遣いが多いという批判は謙虚に受け入れる」(国土交通次官)、「外交の世界は政治家主導が当然だ」(外務次官)などと述べ、まずは頭を下げた。しかし、「占領軍のように振る舞えば、官僚は動かない」(中ソ根康弘元首相)という懸念の声もある。日本メディアは政権の力が弱まった時点で官僚が本格的に反撃を開始するとみている。
また、子ども手当に投入する資金だけでも防衛予算を上回る規模で、民主党の公約に「非現実的」な側面があることが負担となるのは確実だ。経済が早期に回復せず、統治構造改革の効果も上がらない場合、「もう我慢できない。政権を変えよう」として民主党を支持した有権者がどれだけ耐えられるかは疑問だ。
東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員
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