【韓国】日系エコカー迎え撃て!現代自が開発計画
9月2日8時30分配信 NNA
現代・起亜自動車グループはこのほど、ハイブリッドカー(HEV)や電気自動車(EV)などエコカー開発に関する事業計画を発表した。韓国自動車市場では、ホンダ・トヨタがHEV販売に本腰を入れて始動、先行参入で一気にシェア拡大を図っている。現代・起亜自のエコカー事業戦略には、市場参入時期や技術面で日系の後じんを拝しながらも、地場最大手企業として日系メーカーを迎え撃ちたいという意気込みがあるようだ。【編集局東アジア部・大野草太】
■11年にHEV投入
同グループの事業計画によると、HEVでは今年7月に発売した現代自動車「アバンテLPIハイブリッド」、起亜自動車「フォルテLPIハイブリッド」のシェア拡大に注力。EVは2011年に韓国市場に投入する方針を打ち出している。家庭で充電可能なプラグイン式HEVも翌12年に投入することを明らかにしており、日系エコカーの参入を迎え撃つ方針を明確にしている。
プラグイン式HEVは、現代自が今年4月にソウルモーターショーでコンセプトカー「ブルー・ウィル」を展示。多くの人が詰めかけたことからも、次世代技術への関心の高さがうかがえ、次世代主力車種としての期待を集めている。
プラグイン式HEVは、一定距離までは電力のみで走行し、電力消耗後はガソリン走行に切り替える方式を採用している。従来のハイブリッドタイプより、EVに近い性格の車両といえ、高い技術力が必要とされる。今後の研究開発(R&D)の行方を注視する声は、すでに業界関係者から出始めているようだ。
■大型車にも
HEVそのものへのテコ入れも怠らない。
事業計画では技術力向上に注力し、小型車にとどまっているハイブリッドモデルを、中・大型車市場にも拡大する案を盛り込んだ。来年には、中型セダン「ソナタ」と「ロッツェ」のハイブリッドモデルを米国市場に投入し、国内市場だけでなく海外市場でも日系の独占状態に立ち向かうことを打ち出している。
■3千億円の効果は?
現代自はすでに、13年までにエコカー開発などに対して4兆1,000億ウォン(約3,000億円)を投入する計画を打ち出している。「環境に優しいブランド」としてのイメージ確立を図るために技術開発に注力していく方針で、HEVやEVに加え、水素を使った新エネルギー車などの開発にも着手する。
世界各国の自動車メーカーがエコカー開発に巨額の資金をつぎ込む中、現代自の開発に注目が集まっていることは間違いない。ただ、韓国市場に目を向けた場合、同社の事業計画がどこまで国内市場に有効なのかは予断を許さない状況だ。
そこに立ちはだかっているのが日系エコカーの存在といえる。
ホンダは、すでに07年2月に販売を開始した「シビック・ハイブリッド」に続き、来年にもハイブリッドカー「インサイト」の投入を明らかにしている。トヨタも、新型「プリウス」、「カムリ・ハイブリッド」のハイブリッド2モデルを来月にも発売する予定となっている。
とりわけ、「新型プリウス」は日本市場で、3カ月連続の販売台数1位を記録している人気車。韓国市場でも先行参入によって売り上げが爆発的に伸びる可能性も指摘されており、韓国エコカー市場の“台風の目”となることも予想されている。
■水空けられる燃費
現代・起亜自が、日系メーカーに脅威を感じるのは燃費だ。エコカーで最も重要視される点だが、韓国系は依然として日系から大きな差を付けられたままといえる。
1リットル当たりの走行距離をみると、「アバンテLPIハイブリッド」は17.8キロメートル、ホンダ「シビック・ハイブリッド」は31.0キロ(10・15モード走行)、トヨタ「プリウス」は38.0キロ(同)と大きな差がある。
一方、販売価格をみると、「アバンテLPIハイブリッド」(2,054万5,000〜2,323万ウォン)に比べ、「シビック・ハイブリッド」(2,910万〜3,800万ウォン)は約50%高い。
価格競争力では現代自が勝っているものの、輸入車であるため、日系エコカーが現在の円高・ウォン安基調から、円安基調に転じた場合、日系エコカーの割安感が一気に増すことは間違いない。
トヨタの広報担当者はNNAの取材に対し、「韓国系の積極的なエコカーに対する開発投資で、技術力や価格面で競争が激化するのは間違いない」と指摘。「競争により消費者のエコカーに対する意識は上がる。(日韓メーカーの競争で)相乗効果による市場拡大に期待している」と話し、現代自の追随にエールを送っている。
エコカー市場は、世界各国・地域の自動車メーカーが市場開拓に注力する有望マーケット。韓国では、日系が市場攻略に乗り出したばかりだが、欧米など先進国で今後、各メーカーによるシェア争いが激化する見通しも出ている。韓国エコカー市場の日韓メーカーの激突は世界シェア争奪の前哨戦ともいえそうだ。
■11年にHEV投入
同グループの事業計画によると、HEVでは今年7月に発売した現代自動車「アバンテLPIハイブリッド」、起亜自動車「フォルテLPIハイブリッド」のシェア拡大に注力。EVは2011年に韓国市場に投入する方針を打ち出している。家庭で充電可能なプラグイン式HEVも翌12年に投入することを明らかにしており、日系エコカーの参入を迎え撃つ方針を明確にしている。
プラグイン式HEVは、現代自が今年4月にソウルモーターショーでコンセプトカー「ブルー・ウィル」を展示。多くの人が詰めかけたことからも、次世代技術への関心の高さがうかがえ、次世代主力車種としての期待を集めている。
プラグイン式HEVは、一定距離までは電力のみで走行し、電力消耗後はガソリン走行に切り替える方式を採用している。従来のハイブリッドタイプより、EVに近い性格の車両といえ、高い技術力が必要とされる。今後の研究開発(R&D)の行方を注視する声は、すでに業界関係者から出始めているようだ。
■大型車にも
HEVそのものへのテコ入れも怠らない。
事業計画では技術力向上に注力し、小型車にとどまっているハイブリッドモデルを、中・大型車市場にも拡大する案を盛り込んだ。来年には、中型セダン「ソナタ」と「ロッツェ」のハイブリッドモデルを米国市場に投入し、国内市場だけでなく海外市場でも日系の独占状態に立ち向かうことを打ち出している。
■3千億円の効果は?
現代自はすでに、13年までにエコカー開発などに対して4兆1,000億ウォン(約3,000億円)を投入する計画を打ち出している。「環境に優しいブランド」としてのイメージ確立を図るために技術開発に注力していく方針で、HEVやEVに加え、水素を使った新エネルギー車などの開発にも着手する。
世界各国の自動車メーカーがエコカー開発に巨額の資金をつぎ込む中、現代自の開発に注目が集まっていることは間違いない。ただ、韓国市場に目を向けた場合、同社の事業計画がどこまで国内市場に有効なのかは予断を許さない状況だ。
そこに立ちはだかっているのが日系エコカーの存在といえる。
ホンダは、すでに07年2月に販売を開始した「シビック・ハイブリッド」に続き、来年にもハイブリッドカー「インサイト」の投入を明らかにしている。トヨタも、新型「プリウス」、「カムリ・ハイブリッド」のハイブリッド2モデルを来月にも発売する予定となっている。
とりわけ、「新型プリウス」は日本市場で、3カ月連続の販売台数1位を記録している人気車。韓国市場でも先行参入によって売り上げが爆発的に伸びる可能性も指摘されており、韓国エコカー市場の“台風の目”となることも予想されている。
■水空けられる燃費
現代・起亜自が、日系メーカーに脅威を感じるのは燃費だ。エコカーで最も重要視される点だが、韓国系は依然として日系から大きな差を付けられたままといえる。
1リットル当たりの走行距離をみると、「アバンテLPIハイブリッド」は17.8キロメートル、ホンダ「シビック・ハイブリッド」は31.0キロ(10・15モード走行)、トヨタ「プリウス」は38.0キロ(同)と大きな差がある。
一方、販売価格をみると、「アバンテLPIハイブリッド」(2,054万5,000〜2,323万ウォン)に比べ、「シビック・ハイブリッド」(2,910万〜3,800万ウォン)は約50%高い。
価格競争力では現代自が勝っているものの、輸入車であるため、日系エコカーが現在の円高・ウォン安基調から、円安基調に転じた場合、日系エコカーの割安感が一気に増すことは間違いない。
トヨタの広報担当者はNNAの取材に対し、「韓国系の積極的なエコカーに対する開発投資で、技術力や価格面で競争が激化するのは間違いない」と指摘。「競争により消費者のエコカーに対する意識は上がる。(日韓メーカーの競争で)相乗効果による市場拡大に期待している」と話し、現代自の追随にエールを送っている。
エコカー市場は、世界各国・地域の自動車メーカーが市場開拓に注力する有望マーケット。韓国では、日系が市場攻略に乗り出したばかりだが、欧米など先進国で今後、各メーカーによるシェア争いが激化する見通しも出ている。韓国エコカー市場の日韓メーカーの激突は世界シェア争奪の前哨戦ともいえそうだ。
最終更新:9月2日8時30分
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