厚生労働省は2日、インフルエンザの集団感染報告が8月24~30日に1330件あったと発表した。集計を始めた7月下旬から5週連続の増加で、前週(8月17~23日、897件)の約1・5倍になった。厚労省は「各地で学校の新学期が始まったことが影響している」とみている。
厚労省はこれまで、新型の確定患者がいる集団感染の件数を発表していたが、感染症法施行規則の改正で患者の届け出が不要になったのに伴い、今回から疑い例だけのケースも含めた集計に切り替えた。この定義でみた過去の件数は、7月20~26日=173件▽同27日~8月2日=369件▽同3~9日=574件▽同10~16日=688件。
都道府県別では、東京都が前週の35件から大幅に増えて167件となり全国最多。学校の夏休み明けが早い北海道も、前週の21件から93件に急増した。前週まで最多だった沖縄県は107件から72件に減った。
一方、8月26日~9月1日の新型インフルエンザによる入院患者は87人で、前週の163人から大きく減った。だが、妊婦や基礎疾患を持つ入院患者は40人とほぼ横ばい(前週43人)で、厚労省は「軽症者の念のための入院が減り、重症化しやすい患者に絞られてきたのではないか」と分析する。
また厚労省は、ワクチン接種の優先順位や法律上の位置付け、費用負担の考え方などの案を、今週中にも公表することを明らかにした。国民から意見募集したうえで専門家で改めて議論し、9月中に方針を決めるとしている。【清水健二】
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■インフルエンザ集団感染の報告件数■
北海道 93 (21)
青森 18 (25)
岩手 14 (6)
宮城 49 (17)
秋田 22 (10)
山形 21 (12)
福島 31 (14)
茨城 27 (35)
栃木 15 (15)
群馬 9 (6)
埼玉 29 (31)
千葉 19 (47)
東京 167 (35)
神奈川 30 (29)
新潟 50 (30)
富山 8 (4)
石川 9 (7)
福井 1 (2)
山梨 20 (8)
長野 37 (21)
岐阜 19 (16)
静岡 26 (19)
愛知 40 (30)
三重 9 (4)
滋賀 9 (9)
京都 40 (34)
大阪 78 (37)
兵庫 22 (36)
奈良 28 (15)
和歌山 2 (8)
鳥取 11 (6)
島根 9 (10)
岡山 21 (10)
広島 9 (4)
山口 11 (9)
徳島 20 (13)
香川 14 (12)
愛媛 21 (12)
高知 7 (8)
福岡 57 (33)
佐賀 10 (9)
長崎 8 (5)
熊本 34 (31)
大分 35 (11)
宮崎 20 (17)
鹿児島 29 (17)
沖縄 72(107)
合計 1330(897)
(8月24~30日分、カッコ内は前週)
毎日新聞 2009年9月3日 東京朝刊