大勢の子どもや家族連れでにぎわうプール=8月14日、大分市の日吉原レジャープール
今年は梅雨明けが8月初旬と遅く、“短い夏”だった。長引く景気低迷の影響もあり、夏物商戦は苦戦した。8月中旬以降は天候が回復し、日差しと暑さが戻った。台風の接近もなく、レジャー施設はにぎわいを取り戻し、日照不足による作物の生育不良に悩んでいた農家も一息。今年の夏を振り返った。
【天候】7月は梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、「冷夏長雨」傾向。大分市の1カ月の日照時間は115・8時間と平年より約70時間少なかった。梅雨明けは8月4日で観測史上最も遅かった。8月中旬以降は晴れの日が続いた。
【夏物商品】大分市のケーズデンキわさだタウン店によると、エアコン、扇風機といった季節家電の売り上げは前年同期比で約20%減。「エコポイント制度の恩恵は多少あったものの、天候不順の影響が大きく、季節家電はかなり厳しい状況だった」と同店。
同市のトキハ本店は、「長梅雨の影響に加え、夏のボーナス支給額が減り、買い控えの動きが広がった。日傘、衣料といった夏物商戦は苦戦気味に推移した」と話す。
【農業】長雨、日照不足で野菜などの生産、出荷量が減少し、小売価格も上昇した。JA全農おおいたによると野菜の出荷量は、キャベツが前年比45%減だったのをはじめ、小ネギが25%減、ナスが20%減、キュウリが10%減だった。
水稲の作況予想は県全域で「やや不良」だが、県集落・水田対策室は「天候回復で、このままなら平年並みまで持ち直せるのでは」と期待している。
【レジャー】屋外施設は8月中旬以降の好天に救われた形。大分市の日吉原レジャープールは前年並みの約3万5千人が利用した。
別府市のセントレジャー城島高原パークも夏休みの来場者は15万3千人で前年を少し上回った。担当者は「8月も長雨が続いたら、どうなるかと冷や冷やだった」と話す。
同市の屋内プール「杉乃井ホテル・アクアビート」は夏休み中の来場者が約7万人で前年並み。「天気が悪かった前半は好調だったんですが…」と苦笑した。ホテルの宿泊者は前年比10%増と好調だった。
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