3党の政策責任者、(左から)社民党・阿部知子政審会長、民主党・直嶋正行政調会長、国民新党・自見庄三郎政審会長が集まり協議が始まった=2日午後4時58分、国会内、飯塚悟撮影
民主、社民、国民新の3党は2日夕、国会内で連立政権樹立に向けた政策協議の初会合を開いた。総選挙前にとりまとめた「3党共通政策」に加え、新型インフルエンザ対策と集中豪雨対策に取り組むことで合意。意見の違いが残る外交・安全保障政策の決着は持ち越した。3日夜に再協議し、週内の合意をめざす。
3党共通政策には、次の総選挙までの消費税率据え置き、後期高齢者医療制度の廃止、子ども手当の創設などが明記されている。外交・安保政策には触れていないが、連立政権合意には盛り込む方針だ。社民党が強く求めている与党間の政策調整機関の設置も焦点となっている。
協議には、民主党の直嶋正行政調会長、社民党の阿部知子政審会長、国民新党の自見庄三郎政審会長が出席。安保政策では、民主党が(1)対等の日米関係(2)東アジア共同体の構築(3)核兵器廃絶(4)拉致問題解決(5)地球温暖化問題への取り組み――の5項目を盛り込んだ素案を提示。社民党からは「地位協定(の改正)に触れてほしい」などの要望があり、民主党が改めて案を出すことになった。国民新党は郵政事業の抜本見直しの確実な実行を求めた。
社民党は政策調整機関の設置を「譲れない」(幹部)としている。連立合意では、隔たりのある各論には踏みこまず、大まかな方針の確認にとどめ、政権参加後に受け入れ困難な課題が発生した場合に自らの主張を反映しやすくする狙いがあるとみられる。
しかし、閣外で与党が政策調整を行えば、民主党がめざす政府・与党の政策決定の一元化に反しかねない。このため、直嶋氏は「代表、幹事長と相談する」として、回答を保留した。
社民党は協議に先立ち、地方組織の幹部を集めた全国代表者会議を開催。安保政策の転換に追い込まれかねないとの懸念から、閣外協力を求める声が大勢を占めたが、執行部は「憲法を生かして平和・軍縮を促進する政策の実現を図る」などとした連立協議への対処方針を示し、一任をとりつけた。
社民党はまた、2日の常任幹事会で、落選した日森文尋国会対策委員長の後任に辻元清美衆院議員を充てる人事を決めた。辻元氏を起用する方向で調整していた政審会長は、最終的に阿部知子氏が続投することになった。