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【神奈川】

“楽勝ムード”も消去法か 『民主圧勝劇』の舞台裏 記者座談会

2009年9月2日

 先月30日に投開票された衆院選。県内18選挙区でも、民主が比例復活を含め全員当選と勢いを見せつけた。取材に奔走した本紙記者が、座談会形式で選挙戦を振り返り、「民主圧勝劇」の裏側を探った。 (司会・中山高志)

 ■家族も余裕?

 −各選挙区の民主候補の様子は?

 北条香子記者 圧勝した前職陣営では選挙期間中に、候補者の妻が「今回は大丈夫と皆さんに言われています」と漏らすなど、終始“楽勝ムード”だった。

 荒井六貴記者 ある元職も、公示前から世論調査で大きくリード。陣営幹部は「言われるほど良くない」と上滑りを警戒していた。

 加賀大介記者 別の元職陣営は「マニフェストが一日数千部でさばける」と手応えの良さに驚いていた。少し引き締めた方が良いのではと思うほど、事務所の雰囲気も明るかった。

 新開浩記者 強敵の世襲候補を相手に比例復活当選した新人は「自民王国と呼ばれる場所に(自分の)村ができた」と喜びをあらわにしていた。

 ■やじにキレる

 −逆に自民はどうだった?麻生太郎首相を応援に呼ぶ、呼ばないでもめた陣営もあったそうだけど。

 松平徳裕記者 確かに、自民はポスターの党名を小さくするなど、党として戦う姿勢がみえなかった。選挙期間中に展開した民主批判も、逆効果とみられている。

 藤浪繁雄記者 ある選挙区では自民系地方議員がこっそり民主候補を応援していた。終盤戦になると、自民が敗色濃厚となったせいか、公然と民主を応援する人まで出た。

 堀祐太郎記者 自民陣営幹部は、相手候補よりも比例南関東ブロックの自民候補の情勢を、やたらに気にしていた。小選挙区をあきらめて、比例復活に希望を託していたようだ。

 −まるで「敵は身内にあり」だね。

 堀 この候補は街頭演説中に聴衆からやじられて、「黙って聞いてろ、この野郎」と“逆ギレ”。劣勢によほどいら立っていたんだろう。

 ■予想外の健闘

 −民主、自民の対決が目立ったけど、それ以外の党は?

 斎藤裕仁記者 みんなの党が比例でこれほど票を集めるとは驚いた。民主大勝を懸念した保守層や、無党派層の支持を集めたのではないか。

 藤浪 共産が候補を擁立しなかった選挙区では、同党関係者が支援者に「よりましな方に投票を」などと消極的な指示をしていた。

 ■「自民不信」

 −有権者は本当に民主を信任したのだろうか。

 北条 自民支持だった男性は「自民党は大うそつき。もう信じられない」と言っていた。

 加賀 そうだね、「自民を見限った」人たちが、消去法で民主に投票したということではないか。

 

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