前橋市富士見町赤城山の山中で、昭和村川額(かわはけ)の飲食店員、加藤優さん(当時24歳)が遺体で発見された事件で、強盗殺人と死体遺棄罪に問われた沼田市西原新町、無職、金子茜被告(23)の論告求刑公判が10日、前橋地裁であり、検察側は「強固な犯意に基づいた残虐な犯行で極めて悪質」として無期懲役を求刑した。一方、弁護側は強盗殺人罪について「事前に(携帯電話や金品を奪う)謀議をしたわけではない」などと否定、殺人と占有離脱物横領罪などの適用を主張した。
検察側は論告で、金子被告と高崎市の元派遣社員の少年(19)=強盗殺人と死体遺棄罪で有罪=が、加藤さんの携帯電話や現金などを奪ったことについて、「少年の捜査段階の『金を半々にしようと言われた』という供述の信用性は高い」などとして、事前の謀議があったと主張した。
一方、弁護側は最終弁論で、事前の謀議について「計画はずさんで、実際には場当たり的に行った犯行」などと主張した。また「金品と加藤さんの命を天秤(てんびん)にかけたわけではない」などとした。【鳥井真平】
毎日新聞 2009年8月11日 地方版