有事の防災拠点となる広大な敷地で行われた8都県市合同防災訓練(本社ヘリ「わかづる」から)
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「防災の日」恒例の八都県市合同防災訓練で一日、首都圏の防災拠点として整備された川崎市川崎区の東扇島東公園が初めてメーン会場となった。昨春開園の約十六ヘクタールの広大な敷地には、工場や高層ビルを模した“ミニ川崎”が登場。川崎直下の大地震を想定し、白熱した訓練が繰り広げられた。
早朝の“地震発生”を受け、まずは川崎市役所で対策を検討する訓練から開始。阿部孝夫市長が麻生太郎首相にテレビ電話で物資や医療チーム派遣など、支援を要請した。
その後、同公園に場所を移し、工業、商業など“川崎市街地”を模した四エリアで警察や消防、市民ら約一万人が分刻みで訓練を展開。
商業地区では、倒壊した高層ビルの下からの救助訓練があり、今年七月に発足した市内の医師らによる救急治療チーム「川崎DMAT」も参加。参加した市立川崎病院(川崎区)の郷内志朗医師(32)は「自衛隊など、現場内での搬送も連携がうまくいった」と話した。
観客席で訓練を見守った中原区上新城の米店経営池田金夫さん(79)は「今日学んだことを、町会の訓練でも生かしたい」と話した。
同公園は、国の「基幹的広域防災拠点」の一つ。東京都江東区の「有明の丘」ともに二〇〇二年に整備が決まり、昨年相次いで開園した。有事の際、有明には国などの現地対策本部が設置され、東扇島は支援部隊や救援物資の基地になる。 (酒井博章)
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